ひげを剃る。そして女子高生を拾う。, by Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki?curid=3796604 / CC BY SA 3.0

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『ひげを剃る。
そして女子高生を拾う。
』(ひげをそる そしてじょしこうせいをひろう)は、しめさばによる日本のライトノベル。
20代のサラリーマンと、家出した女子高生が出会い、共同生活を送るさまを描く。
公式略称は「ひげひろ」。
本作はKADOKAWAが運営する小説投稿サイトの「カクヨム」にて2017年より投稿が開始された。
書籍版は同社の角川スニーカー文庫より2018年から2021年まで刊行され、イラストはぶーたと足立いまる(4巻)が担当している。
2021年6月時点でシリーズ累計発行部数は200万部を突破している。
また、コミカライズおよびアニメ化などメディアミックスも行われている。
IT企業に勤めるサラリーマン・吉田は、上司の後藤愛依梨にフラれた夜、荻原沙優という家出少女と出会う。
沙優は性交と引き換えに宿を提供するよう吉田に要求するが、吉田はこれを拒否した上で、働くことを条件に彼女を居候させる。
吉田と暮らすうちに、沙優は吉田の優しさに触れ、彼に捨てられたくないと思うようになる。
沙優から思いの丈をぶつけられた吉田は、沙優がいることで自宅の居心地が良くなったと打ち明ける。
その上で、吉田は改めて沙優に共同生活を送ることを提案し、沙優もこれを受け入れる。
一方、愛依梨は、吉田が家出少女と暮らしていることを知る。
愛依梨は沙優に会い、今後のことを考えるよう諭す。
吉田と暮らし始めてから2か月後、沙優はアルバイト先で、かつて宿を提供してもらった男と再会する。
男は沙優に再び“寝る”ことを要求するが吉田に阻まれる。
その際、吉田は男から、沙優との生活をずっと続けることはできない、と指摘される。
季節は巡り、夏、吉田の職場に神田蒼という女性が加わる。
蒼は吉田の元恋人であり、そのことを知った沙優はもやもやとした気持ちを抱く。
一方、吉田は、一度は沙優が実家に戻れるよう手助けすることを決意するものの、既に沙優がいない生活を想像することができなくなっていた。
そんな折、沙優の兄が、妹を引き取るために吉田宅を訪れる。
声の項はテレビアニメ版の声優。
本作は、サラリーマンの吉田と女子高生の沙優が家族のような関係を築きつつ、互いに自分のことを見つめ直していくという内容の人間ドラマである。
筆致は軽妙で読者が読みやすいものになっており、この筆致の上手さも相俟って読者の共感を集め、結果、本作は「カクヨム」で好評を博した。
吉田と沙優は性別や世代、家庭環境が異なる赤の他人であり、この2人の関係性については様々な評価がなされている。
ライターの榎元敦は、現代日本社会は「孤独」や「他人との距離感」が話題になる社会であり、その社会にあって、擬似家族の形成という問題を孕んでいる本作は新しいトレンドになりうる、と評している。
他方で、ライターの飯田一史は、作中で吉田が沙優に「日々の生活のパートナー」であることを求めている点に着目し、作家や読者に、ただ異性と楽しくコミュニケーションを取りたいという潜在的な欲求があるように感じる、と述べている。
本作の作者・しめさばは、もともと「カクヨム」で活動しており、本作を書く前はハイ・ファンタジーを執筆していた。
本作を執筆したのは、普段書いている作品とは異なるジャンルの作品を書こうと思い立ったことがきっかけであり、作品の構想を練っているときに思い浮かんだ「じゃあ、タダで泊めてよ」というセリフがトリガーとなって本作が誕生した。
しめさばによると、第2巻に収録されているエピソードを執筆しているときに書籍化の提案があったという。
ただ、この時点では新しい作品を立ち上げてデビューする方向も検討されていたといい、最終的には、しめさば本人の意向もあり本作の書籍化が決まった。
なお、本作は当初、『剃り残した髭、あるいは、女子高生の制服』というタイトルで執筆されていたが、書籍化に伴い「ライトノベルらしいものに変えよう」と模索した結果、現在のタイトルにたどり着いたという。
足立いまるによる本編のコミカライズ作品が『月刊少年エース』にて2019年1月号(2018年11月26日発売)から連載されている。
2021年3月5日からはバラマツヒトミによる『Each Stories』のコミカライズが『少年エースPlus』にて配信されている。…