国内で確認されたブラジル由来の新型コロナウイルス変異種。強い感染力に加え、ワクチン効果への影響も。
WHO(世界保健機関)・テドロス事務局長:「日本から新たな変異種の報告を受けました。感染が広がれば広がるだけ、ウイルスも変異しやすくなるのです」
WHOのテドロス事務局長が危機感をあらわにした新たな変異種。日本でも2日、ブラジルから到着した男女4人から見つかった、いわゆる“ブラジル由来の変異種”です。
感染した4人はブラジル北西部のアマゾナス州に滞在していたことが分かっています。変異種との関連は不明ですが、アマゾナス州では感染状況が急激に悪化し、年明け早々、非常事態宣言の180日間の延長が決まっています。
日本に到着した4人のうち1人は呼吸状態が悪化して入院し、2人が頭痛や発熱などの症状を訴えています。
市中感染には及んでいないとみられていますが、気になる報告もあります。検体を解析した国立感染症研究所は、これまで見つかったイギリス型、南アフリカ型の2つの変異種と同様にブラジル由来の変異種も「感染力を強める可能性がある変異」が確認されていることを明らかにしました。ただ、現時点では感染力やワクチンへの影響について「判断できない」としています。
南アフリカで変異種の遺伝子解析を主導するオリベイラ教授は、この新たな変異種が「ワクチンの効果に影響を及ぼすのではないか」と指摘します。
クワズールー・ナタール大学、トゥーリオ・デ・オリベイラ教授:「感染者が生成した抗体は、南アフリカで感染拡大しているウイルスと日本で見つかったブラジルからのウイルスに対して効果が薄い可能性があります」
オリベイラ教授によりますと、ワクチンは一定の効果があるはずだとしながらも、南アフリカとブラジル由来の変異種には共通の変異があり、抗体をすり抜ける可能性があるといいます。
クワズールー・ナタール大学、トゥーリオ・デ・オリベイラ教授:「これらの変異種を抑え込む対策はこれまで通りですが、強化する必要がある。感染者を割り出し、隔離し、濃厚接触者を調べることを非常に素早くすることです。
[テレ朝news]