新型コロナウイルスの感染拡大を受け、政府は13日、新たに栃木・愛知・岐阜・京都・大阪・兵庫・福岡の7府県に対して緊急事態宣言を出しました。これで対象地域は11の都府県に広がりました。
菅義偉総理大臣:「追加した7つの府県については、新規感染者数、病床の利用率など、ステージ4に相当する指標が多いこと、大都市として人口が集中しており、全国に感染が広がる前に対策を講じる必要があること、こうした要素に基づいて専門家の意見も伺い判断しました」
菅総理はさらに、海外からのビジネス関係者らの新規入国について、すべて停止すると発表しました。
菅総理は先日、報道ステーションに出演した際「国と国との関係で、安全な国と取り組んでいる」と継続を強調していましたが、一転した形となりました。
菅義偉総理大臣:「11カ国からの入国者に変異株の感染が確認された事例はありません。しかしながら、現在の国内の深刻な感染状況に加えて、直近では英国からの帰国者によるクラスターで変異株が確認をされた事例、またブラジルからの帰国者で新たな変異株が確認された事例、こうしたことが相次ぎ、国民の皆さんの不安がさらに高まっている現状を大変重く受け止めております」
緊急事態宣言が出された大阪では、時短営業の要請を拡大します。これまでは、大阪市内の酒類を提供する飲食店など対し、午後9時までとしていたものを、エリアを大阪府全体に広げ、すべての飲食店や映画館などの商業施設に対し、午後8時までの営業を要請します。
今回、緊急事態宣言が出された7府県のなかで、福岡県だけは“寝耳に水”の状態でした。
福岡県・小川洋知事:「(Q.緊急事態宣言のお願いをしていない?)私の方からはしていません。12日午前に西村大臣から電話があって、そこからのスタートでした。政府としては大都市からの感染の拡大、これをなんとしても防ぎたいと」
福岡県では、これまで宣言の要請については慎重な姿勢を示してきました。しかし、11日時点で、病床使用率が70%を超えたほか、感染経路不明の割合も55%となるなど、宣言発令の指標となる7つのうち、5つで「ステージ4(感染爆発)」に達しています。
県では13日午後、飲食店などに対する、午後8時までの時短営業の要請などを決定しました。しかし、準備が間に合わないとして、16日からとしています。
慎重な姿勢から、一転、宣言を受け入れることにしたのは、西村大臣からの、ある一言がポイントになったといいます。
福岡県・小川洋知事:「(西村大臣は宣言の)追加指定は考えていないと。『最後の船』というご説明でしたので、やむを得ないと判断したところです」
しかし、小川知事は夜の会見で、この発言は「勘違いだった」として撤回しました。
福岡に隣接する熊本県は14日から、県独自の緊急事態宣言を出すことを決めました。というのも、きのう、西村大臣と電話で協議したのですが・・・。
熊本県・蒲島郁夫知事:「重症者向けの病床使用率やリンク不明の感染者の割合など、ステージ4の指標に達していないとの指摘もあり、国から熊本県に対し緊急事態宣言を発令する判断は示されませんでした。努力目標として県としてやるべきこと、例えば(午後)8時の段階の時短。これまで(午後)10時まででやってきたが、8時ということが必要ではないかと」
熊本も、病床使用率が60%程度となり、宣言発令の指標となる7つのうち、5つで「ステージ4」に達しています。しかし、今回追加されませんでした。
熊本県・蒲島郁夫知事:「緊急事態宣言へのハードルについて示唆頂いた。私たちは相談のなかで、事実上の要請を行ったと思っているし、それに対する判断は国が行うということだったと思う」
宣言はどういう基準で発令されるのか、13日の国会でも「分かりにくい」と指摘されています。
菅総理は会見で、宣言の対象ではなくても、感染が拡大している地域へ支援する考えも示しました。
菅義偉総理大臣:「今回対象となる地域以外にも、ステージ4に向けて感染拡大している地域については、緊急事態宣言に準じる措置として、国として宣言対象地域と同じ支援を行うこととする」
“準じる措置”とは、どのようなものなのでしょうか。
[テレ朝news]