新型コロナ第7波の感染拡大が止まらない中、救急搬送に24時間対応している、名古屋市中川区の「名古屋掖済会病院」の救命救急センターに密着しました。
「BA.5対策強化宣言」の検討が始まった愛知県。救急医療の現場では、懸命の対応が続いています。
救急搬送に24時間対応している名古屋市中川区の「名古屋掖済会病院」。救命救急センターには、休む間も無く患者を乗せた救急車が到着します。
1件目は、指を負傷したという女性。2件目は、お腹の調子を崩した90代の女性。そして3件目は、自転車で転んだ10代の男性…搬送される患者の症例は様々です。
中でも最近、急速に増えているのが…
「発熱患者が比較的多い。ここ2、3週間かけて増えてきている状態で、4割ぐらい発熱に関連した患者さん」(救急科 小川健一朗医師)
医師「ちょっと先が見えない」
小川医師に「89歳で熱レベル低下」と連絡が入ります。事前の連絡によると、患者には発熱の症状が見られ、新型コロナに感染している疑いがあるため、背中や頭まで入念に覆う青いガウンを着用し、到着を待ちます。
午後6時ごろに搬送された、80代の女性。発熱の症状があります。
「デイサービスを使っていて熱が出て、その後、意識状態が悪くなって当院に搬送されてきた。コロナの可能性も含めて検査していく」(小川医師)
新型コロナ感染の疑いがあるため、抗原検査を行うと、結果は陽性で現在入院しています。
取材した29日の夕方、午後3時から午後6時ごろまでの間に、運ばれて来た患者はあわせて4人。週末はさらに多くの患者が救命救急センターに運ばれ、発熱を訴える患者も多いといいます。
小川医師は「平日の1.5倍ぐらい。開業医がやっているとそちらに普段行っている患者が行き先がなくなるので、そういった患者が時間外にやっている病院に来る。土日は基本的に発熱が多い。それ以外の患者は、基本的に量は変わらない」と話しました。
「今週末は特に(大変)。ちょっと先が見えない。患者の数が減ってきていれば、我々も見立てができるようになるが、現状としては今週末(7月30、31日)が大丈夫かなと思う」(小川医師)
子どもの患者が増えているのが特徴
収束が見通せない第7波。中でも、子どもの患者が増えているのが特徴だといいます。
「今回かなり多く感じる。(第6波と比べて)子どもが2倍以上になっている」(小川医師)
愛知県全体で見ると、現在の第7波での子どもの感染者の数は、第6波と比べて大きく増えています。愛知県内の新規感染者の数が連日1万人を記録する中、懸念されるのがコロナ病床が一杯になることです。
名古屋掖済会病院のコロナ病床は24床。7月29日の時点で、22人の患者で埋まっていました。
小川医師は「今残り2床という状態なので。あと2人入院患者が来たら、どうしようという事態」と指摘しました。
そしてついに、8月1日の午前中に24床のコロナ病床は満床になったということです。
「病床が無くなってしまって、コントロールできなくなると、救急外来に入院が必要なコロナ陽性患者がたまってしまう」(小川医師)
小川医師は、このまま感染が拡大し続けることで、ほかの医療にも影響が及ぶ危険性を訴え、さらなる感染の予防に努めてほしいと呼びかけています。
「これだけ流行ってしまってるので、ある程度社会生活を営んでいくと感染するリスクはあると思うので、マスク手洗い感染防御に努めるというところかなと思う」(小川医師)
(8月1日 15:40~放送 メ~テレ『アップ!』より)