防衛省は12日、航空自衛隊岐阜基地(岐阜県各務原市)で空自の最新輸送機C2による非舗装滑走路での着陸試験を初めて行った。無事に着陸し、試験も成功したとみられる。

 C2はアスファルトなどで舗装していない非舗装滑走路で離着陸する「不整地離着陸機能」を開発段階で要求する性能から外していた。アラブ首長国連邦(UAE)へのC2の輸出交渉が大詰めを迎える中、非舗装滑走路で離着陸できるかUAEから確認を求められ、実証試験を実施した。
 岐阜基地の非舗装滑走路は土や砕石が混ざった路面で、固さは土のグラウンドほどだ。
 午後2時34分、C2は岐阜基地の通常の滑走路から離陸し、基地周辺を1度旋回した後、高度を下げ、着陸体勢に入った。
 同40分、土ぼこりをあげながら非舗装滑走路に着陸し、機体の体勢を正常に維持したまま2分後に滑走路の中間ほどで止まった。
 着陸に成功したことで一定の不整地離着陸機能があることが実証されたといえそうで、欧州エアバス社製と一騎打ちとなっているUAEからの受注競争に弾みがついた。収集したデータを分析するとともに、機体に問題がないか調べた上で近く離陸試験も行う。