感染者数の増加に伴い、後遺症に苦しむ人も増えています。どういった方が、どんな症状に苦しんでいるのか、後遺症外来で診療を行っているヒラハタクリニックの平畑光一院長にお話をうかがいます。
■後遺症患者の症状は?
板倉)
平畑院長のクリニックでは、この2年半でおよそ4500人が後遺症外来を受診していて、今年だけでも700人以上となっています。年代別では40代が最も多く、次いで30代、さらに子どもいます。症状は倦怠感が最も多く、気分の落ち込み、思考力の低下などに悩んでいる人も多いということですが、特に倦怠感については、具体的にはどういった症状なんでしょうか?
平畑院長)
倦怠感というと、かなり軽く感じてしまう方がいらっしゃると思うんですけども、実際にはドライヤーを持つことができないとか、非常に重い症状があり、歯ブラシを持つのもつらいというような状況の方もいます。また倦怠感を軽く見てしまって、頑張ってしまっていると、どんどん症状が重くなってきますので、まずだるさを感じたら、しっかり休むという事が非常に大事になってきます。
板倉)
倦怠感の症状は、年代によっても差があるんでしょうか?
平畑院長)
あまり年代で差が大きくない。どの年代でも起きうる症状だと思います。
板倉)
子どもとかはどうですか?
平畑院長)
子供さんだと、10歳以下くらいの小さい子ですと、倦怠感よりも、どちらかというと動悸とか腹痛の方が多いかなと思うんです。ただやはり動けないほど、だるいという方もたくさんいらっしゃいます。
高島)
主婦の方はどうですか?
平畑院長)
買い物に行かれた後に動けなくなってしまうとか、そういったことはよくありますね。まず辛くなる事をしない、という事が一番大事なことで「動ける時に動いてしまえ」と動いてしまう方がいるんですが、それをやってしまうと、どんどん症状が重くなって、最終的には寝たきりになってしまう方もたくさんいますので、無理はしないということが一番大事だと覚えていただきたいです。
高島)
具体的には、どのくらいの期間続くんでしょうか?
平畑院長)
本当に長い方ですと、2年以上という方もいらっしゃいます。
■ブレインフォグとは?
高島)
こういった後遺症本当につらいと思いますが、新型コロナ特有の後遺症の一つに、ブレインフォグという、記憶力などに影響する症状もあるということなんですが、平畑さん、詳しく教えてください。
平畑院長)
免疫細胞が、色々なたんぱく質を作ってしまって、そのたんぱく質が脳内に入り込んで、そこで炎症を起こしてしまうというのが1つの仕組みだと言われています。
高島)
これは一時的なものなんでしょうか?
平畑院長)
これは非常に長く続くことも多いですね。何もしないで無理をしていると、本当に長く続いてしまう事があるので、気をつける必要があると思います。多い症状としては、字は読めるけど文章の意味がわからない。言ったことを覚えてない、言われた事を覚えてない。あとは、大学の受験生が1桁の足し算に5秒かかってしまう。そんなことが起きています。
■後遺症の治療は?
高島)
こういった症状、治療はどのように行われるのでしょうか?
平畑院長)
非常に効きやすい治療が、上咽頭擦過療法といいまして、長い綿棒を鼻の奥に入れて、塩化亜鉛という薬を塗りつけると、それが一番効きやすい治療ということになります。その他に、漢方薬ですとか鍼灸ですとか、いろんなものを使って治療していくことになります。
サタデーステーション 8月27日OA
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