■ニュースの概要■ 2021年1月11日、朝鮮日報が伝えたところによると、海外の複数の有名アーチストが、韓国の展示物・造形物で、自分の作品が無断で使用されていたことを知り、怒りを露わにしていることが分かった。このアーチストの1人は、アルゼンチンの現代美術作家・レアンドロ・エルリッヒ氏だ。エルリッヒ氏の作品の1つに、45度に傾いた鏡を設置し、床での作業を恰も垂直の壁で行っているように見せる錯視アート「ダルストン・ハウス」がある。これと全く同じ原理の展示物が、韓国忠清南道牙山(アサン)市のチャン・ヨンシル科学館に設置されていたのだ。エルリッヒ氏は数カ月前に、写真共有SNSのインスタグラムを通じて偶然にこの事実を知り、「このような知的財産権の侵害は、芸術を軽視したものだ」「韓国でこのようなことを目撃することには、とても腹が立つ」と怒りを露わにした。これに対し、エルリッヒ氏側から抗議を受けた牙山市の関係者は「科学原理を利用したアイデアを創作物と見做すのは難しいとする意見もあるが、著作権侵害の余地があるので、すぐに別の作品に取り換える予定だ」と釈明した。現在、この展示場は閉鎖されている。またエンリッヒ氏の現代美術作品「スイミング・プール」はプールの底にいるように見えるのに全く濡れないという不思議な体験型アートだが、韓国・済州島にあるカフェに同様のものが設置され、フォト・スポットとして公開されていた。現在、この展示物は、エルリッヒ氏の抗議を受け、改装されている。一方、別のアーチスト、フランスの画家、フランソワ・ペロディン氏は、著作権侵害を理由に韓国で訴訟の準備を進めている。ペロディン氏の建築デザインが京畿道金浦市内の病院の外壁に無断で使用されていたのだ。ペロディン氏は、「インターネットの検索中にこのことを知った、なぜ創作者である私に許可を得なかったのか?」「韓国で著作権の認識を高めるためには、厳罰が必要だ」と痛烈に批判した。
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■ニュースを深堀り■ この報道を知った韓国国民からは、以下のような様々な意見が寄せられた。「こんなふうに公務員が欠かさず堂々と他人の作品を展示するのは、文在寅政権だけのような気がする」「文在寅政権は、著作権侵害という言葉を知らないのではないか」「私は建築科を出て、インテリア・デザイナーを目指していたが、この国の現状を知って夢を諦めた。他人の知的財産を平気で奪う風潮では、絶対に創作活動はできません」「床に45度傾けた鏡を置いて錯覚させたら、全部、エルリッヒ作品の盗作になるのかな、これは無理やりだ」「あの程度のレベルのアイデアを知的財産権と言えるのか?」「韓国の品格は、韓服とキムチをとった中国と変わらないね」「金浦の病院のホームページでは堂々と、フランソワ・ペロディン氏がデザインしたと自慢しているんだから驚く他ないね、理解に苦しむ」さて、韓国では日本の権利が侵害されるケースも目立つようだ。2020年4月、韓国のゲーム会社が制作したスマートフォン・アプリで、日本の人気漫画「鬼滅の刃」と登場人物、鬼を退治するストーリーが酷似しているものが見つかった。このアプリのタイトルは「鬼殺の剣」で、韓国国内からでさえ批判が殺到すると、制作会社はサービスを停止し謝罪した。しかし、制作会社は盗作とは認めず、ゲーム開発の未熟さが原因であったと不合理な釈明をしている。2020年2月、日本の人気つけ麺店「やすべい」とほとんどそっくりの店が韓国のソウルに登場した。この韓国そっくり店舗の公式インスタグラムでは「韓国」「本店」「1号店」のキーワードが確認され、韓国では日本の「やすべい」の韓国進出店と誤解されたようだ。しかし日本側は関係を否定し「怒りよりも驚きの方が強かった」と語った。その後、韓国側は「やすべい」のブランドを利用する気持ちがあったと、ブランドの無断使用を認めた上で謝罪した。こうした著作権や商標権において問題となり得る行為が、横行しているようだが、インターネットの出現によって情報の共有は迅速化され、国際化されている。すなわち、すぐに発覚し、それ以上の代償を払うことになり、得することは何もないはずだ。それでも、なぜ韓国で権利侵害が後を絶たないのか、謎という他ない。
今回のテーマは「海外アーチストが怒り、韓国が作品を無断使用?著作権侵害訴訟が進行中!」でした。なお、現代美術作家レアンドロ・エルリッヒ氏の作品は、日本でも見ることが出来ます。2018年春まで、六本木・森美術館でエルリッヒ氏の作品として「スイミング・プール」が展示されていました。現在は、石川県の金沢21世紀美術館で「スイミング・プール」が恒久展示物として、公開されています。日本では、現代アート作品を芸術と評価し、著作権を重んじ、創作者の許可をとり、アーチストの名を冠した上で、展示しているようです。当然と言えば、当然の事をしているまでに過ぎないにも関わらず、なぜか立派な事をしているように見えてしまうのは、とても不思議な錯覚現象です。国際社会では、ばれなければやった者勝ちという風潮は受け入れられないようです。さらにこうした風潮は、科学、産業の発展に支障をきたすだけでなく、外交関係をも毀損することになると考えられます。以上、甘井香織がナビゲートいたしました。みなさんは、どう感じられましたか?
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■使用楽曲提供:
「甘茶の音楽工房」様
「ミュージックノート」様
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