歌手で女優の真野恵里菜さんが、2014年に実写化される「機動警察パトレイバー」シリーズのオリジナル新作プロジェクト「THE NEXT GENERATION-PATLABOR-」の主役に抜てきされ9月25日、千葉県内の倉庫で行われた製作発表会見に登場した。役衣装の真野さんは「台本をいただいて開いたときに、キャストで一番はじめに私の名前があって涙が出そうになりました」と、喜びを語った。

「THE NEXT GENERATION-PATLABOR-」は、約48分のシリーズ全12話と長編作品1本を組み合わせたプロジェクトで、シリーズを全7章に構成し、2014年4月から全国で順次イベント上映、15年には長編作品を全国でロードショーする予定。新作の舞台となるのは、2013年の東京で、登場人物は「三代目」という設定。長期的不況で手間とお金のかかる「レイバー」がお払い箱となっており、特車二課の第1小隊は解散、第2小隊はレイバー運用経験の継続としてかろうじて存在している状態だが、「98式イングラム」だけは栄光の初代、無個性の二代目、無能の三代目に引き継がれていった…という展開。

真野さんが演じるのは、レイバーと刑事ドラマが大好きな1号班操縦担当の泉野明(いずみの・あきら)役。格闘からシューテイングまで万能の天才的ゲーマーで、集中しすぎると周りの声が聞こえなくなる。何かといえば初代と比較されるのが悩みの種という役どころ。「今も緊張で汗がすごいんです」という真野さんだったが、「この役をこれからどうしていくか。せっかくこの役をいただいたので、真野恵里菜にしかできない泉野明を演じたい」と意気込みを語った。

そのほか、趣味はナンパの軍事マニアでお調子者という1号班指揮担当の塩原佑馬役は福士誠治さん、ロシアから赴任した2号班指揮担当のカーシャ役は太田莉菜さん、初代隊長・後藤警部補の後輩で、キレ者という第二小隊隊長の後藤田継次役は筧利夫さん、特車二課整備班長に昇進したシバシゲオ役は、アニメで声優も務めていた千葉繁さんが演じることが発表された。

太田さんは、自分の役を「現場では常に隊員をばかにしているか、整備員をたぶらかしている。たばこも吸っていて非常に楽しい役」と紹介、福士さんは「警察の役もいろいろやったけれど、こんなに勤務中にだらけた警察も初めて。こんなにスケールの大きな作品に出合うのも初めて。公開まで、ずっと盛り上がりながら応援してくださるとうれしい」とファンに呼びかけた。筧さんは「私が隊長です! (会見を生配信した)ニコ動のみんな! 今日はいっぱいつぶやいてくれたまえ!」とアピールして会場を盛り上げた。

アニメからの思い入れの強い役を実写で演じることになった千葉さんは「役作りは全くしていません。『好きにやって』といわれているので、好きにやらせていただいています」といい、「アニメのときも、シバシゲオ自体が僕だと思って、自分の顔に声を当てる感覚でやってましたが、本当の実写になって、位が上がった。日々叫びまくってほえまくっています」と熱を込めて語っていた。

「機動警察パトレイバー」は、歩行式の作業機械「レイバー」が実用化された近未来を舞台に、レイバー犯罪に立ち向かう警視庁の特科車両2課中隊(特車2課)の活躍や泉野明ら隊員の日常を描いたSF作品。1988~94年にマンガ誌「週刊少年サンデー」(小学館)でゆうきまさみさんのマンガが連載され、89~90年にはテレビアニメも放送された。(毎日新聞デジタル)