#環境 #海 #マイクロプラスチック

世界的に生物や生態系への影響が懸念されているプラスチックの小さな破片。広島県内での実態を把握しようと県も初めての調査に乗り出しています。

これは顕微鏡で撮影された写真…。白くフワフワに見える物体は発泡スチロールやカップ麺の容器などに使われる「ポリスチレン」。さらにこちらは食品容器や袋などに使われる「ポリエチレン」。
これらはどれも広島県内の川や海などの水の中から見つかった5mm未満の「マイクロプラスチック」です。

【広島県環境保全課・秋山日登美 課長】
「実際に何か悪影響があるかという科学的なデータはまだ研究が始まったばかりで全くない背景にあるが、そうはいっても影響があるとわかってから調査するのではなく、その前から実態把握に努めておく必要があると考えている」

県が今年に入り、国のガイドラインに沿って3つの川や3つの海域、下水処理場で、初めて行ったモニタリング調査…。

【鈴木記者】
「今回県が調査した場所の一つ黒瀬川だが、川を見てみると比較的きれいな印象ですね」

カメが泳ぎ、石の上で甲羅を乾かす穏やかな川…。
しかし、川岸まで降りてみると…。

【鈴木記者】
「あ、車のタイヤですね。風などで飛ばされて川の流れに流されてきたのか、黒いビニール袋もある」

取材中にもちぎれたビニール片とみられるものが川の流れに乗り移動していました。
今回の調査でこの黒瀬川では最も多い1立方メートルあたり「2.54個」のマイクロプラスチックがみつかりました。また、海域では「安芸津安浦地先」で「2.44」個、東部浄化センターの下水からは「1.42」個という結果が出ました。

【広島県環境保全課・秋山日登美 課長】
「今回のデータ的には全国のデータの範囲内かそれより小さかったということと、川から見つかったのは食品容器の包装材に使用されるような素材が割合が高かった」

世界的に生物や生態系への影響が懸念されているプラスチック。
県は継続を調査するとともに広島大学と共同で0.3ミリ未満の微細マイクロプラスチックについても研究を始めるということです。

【広島県環境保全課・秋山日登美 課長】
「(プラスチックの)使用量削減が大事だと思っている。そのうえで出たものについては適正に処理する、リサイクルする屋外活動、屋外活動のときはゴミは持ち帰るようなことを徹底していただければと思う」