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「僕は看護師の息子」



「僕は看護師の息子」

俳優の水の牧 です日本石会と読売新聞社が行っている命 を見つめるフォト&エッセイのエッセ部門 の審査イを第1回から務めさせていただい てい ます今回は第7回命を見つめるフォト& エッセイコンテストエッセ部門中高生の部 優秀 賞僕は看護師の息子をご紹介し [音楽] ます色とりどりのイルミネーションや クリスマスソングが街中に溢れている12 月23 日肺がんで投票中だったおが静かに息を 引き取りまし た明るくておしり好きでちょっぴりおせか でよく笑うおばでし たなってしまったものはしょうがない 頑張って直してくるわと笑顔で入院した お葬儀場に帰ってきたおばは僕の知って いるおばではありませんでし た頬は小さく痩せこけ肌は黒ずみうすだと 残る眉間のの後が治療のを物語っていまし たこの中でお見舞いにも行けなかった僕は 無力な自分に胸が張り裂けそうになりまし たいこたちもみんな同じ気持ちだったと 思い ます押しつぶされそうな重い空気の中母が 口を開きまし た大丈夫みんなでおばちゃんを元に戻して あげよう [音楽] 僕の母は看護師です母は叔母が亡くなって すぐに病院へ駆けつけエンゼルケアを自分 たちでさせてほしいと病院と葬儀場の人に 交渉していましたエンゼルケアとは人が 亡くなった時に行う死後処置のこと です痛を清めたり化粧を施したりして個人 が少しでも然に近い姿になれるように資格 を持った人の手によって行われ ます母が叔母の体を綺麗に清めみんなで 選んだ薄いピンクの着物を着せまし たさあお化粧する よ昔のばの写真を何枚も何枚も見比べ ながらみんなで少しずつ化粧しまし た母はおの持っていた化粧品で化粧する ことにこだわりまし たお気に入りの化粧品でいつもの場にして あげたかったそう ですまず顔全体を綺麗に沿って眉を整え まし た苦痛に歪んだ後のある眉間のシを少し ずつ少しずつ緩め口元をマッサージして 広角が上がったようになりました 痩せこけた頬の内側に綿を少し入れて ふっくらとさせまし たテキパキと指示を出しさりげなく仕上げ をする母の手はまるで魔法みたいでし た出来上がったばは声をかけると目を 覚ましそうでアイス食べるお野菜持ってお 帰りと今にもりしそうでし たあまりに生前のおばそのものでみんなで 大笑いしてみんなで泣きまし たなんだか悲しいのか嬉しいのかわから ないくらいぐちゃぐちゃな感情だった けれど胸の使いが取れたような気がしまし たそしておつやのクリスマスイブ にサンタクロースの帽子をそっと かぶせおを囲んでみんなでケーキを食べ まし た何種類かケーキを買っていたので誰が どのケーキを食べるのか揉めたりまだ 小さい従がジュースをひっくり返したり それはそれは賑やかで楽しいクリスマス イブでし [音楽] た葬儀が全て滞りなく終わってをしている に母がぽつりと言いまし た私たち看護師は治療に関してはドクター の指示のも動くので治療の決定権はなく 病気そのものを直すことはでき ないでもおこがましいけれど患者さん本人 だけでなくそれを取り巻く家族さんたちも 少しでも楽にさせてあげられたら嬉しい です でしょそれができるのが看護師だと思って いる と僕はいい看護師というのは駐車がうまい とか処置が早いとかそういうことが大切だ と思っていまし たもちろんそれも大事なことだけど今回の 体験で心に寄り添う看護が1番大切だと いうことに気がつきました そして自分の仕事に自信と誇りを持ちこの 仕事が好きだと胸を張って言える母を かっこいいと思いまし た僕は新出中核欠損症という先天性の心臓 病を持ってい ます今も検査は欠かせないし入院すること もあってその度にたくさんの看護師ささん と関わってきまし た僕の記憶に残る看護師さんはみんな笑顔 で優しく不安な僕の気持ちに寄り添って くれていました当たり前のことのように 思っていたけど母の一言からたくさんの 看護師さんの思いに触れ感謝の気持ちで いっぱいになりまし た僕は母の仕事がで嫌だなと思ったことが 何度もありまし た時間通りに帰ってこないことも多いし 休みのはずだった日に急に呼ばれて出勤 することもありまし た晩御飯にお惣菜やお弁当が続く日もあっ たし家に仕事を持ち帰っていてゆっくり 会話できない日もありまし たもし看護師さんのお母さんの帰りを 寂しく思ってがいるなら伝えてあげたい です君のお母さんの仕事は素晴らしいもの なんだよ君のお母さんはすごい人だよ と母は今日もたくさんの患者さんに笑顔を 届けに行ってい ます長い 夏休み仕方なく美味しいご飯でも作っとい てやるとするかな [音楽] 命を見つめるフォト&エッセイでは今年も 作品の募集を開始しています詳しくは 読み切り新聞社の公式ホームページや日本 石会ホームページをご覧 ください皆さんの素晴らしい作品が読める 日を楽しみに待っていますので是非ご応募 お願い ます水の巻きでした [音楽]

第7回生命を見つめるフォト&エッセー
エッセー部門 中高生の部 優秀賞受賞作品
作者:土井倫太郎さん
朗読:水野真紀さん(俳優)

第8回生命を見つめるフォト&エッセーの作品募集中!
2024年 5月9日(木)~10月2日(水)(必着)
\詳細はこちらから!/
https://jigyou.yomiuri.co.jp/photo-essay/works2024.html