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「いずれの道」



「いずれの道」

俳優の水牧 [音楽] です日本医会と読売新聞社が行っている命 を見つめるフォト&エッセイのエッセー 部門の審査イを第1回から止めさせて いただいてい [音楽] ます今回は第7回のコンテストの入選作品 の中から一般の部で嫁入新聞車掌を受賞し たいずれの道をご紹介し [音楽] ます野菜ジュースで始まる朝食から自家製 お 弁当夕飯も毎食手作りお酒もタバコも口に しなかった 睡眠不足と少し働きすぎという以外病気に なる理由が思い当たらなかっ たなの にニュー ガンステージ4コ 天何それ 意より伝えられた瞬間悲しみより怒りに 近い感情が口から吹き出しになるのを必死 でこらえ た平成31年の 成果先生末期がって私まだ働け ます主人は目したままCTの画像を 指さし右胸全体の白い雲の巣のような影が それ です外科的に切除が大変難しい すでに骨にもリンパにも転移しているので 科学療法でお薬による治療となり ます延命目的の治療となり [音楽] ます延命 って私 は死ぬのです か質問は声にならずただ唾をの読み込ん だ嫁宣告でしょう かカラカラになった喉から言葉を絞り出し た私を気のくそうに見つめる主人と看護師 さんたちがい た部屋の壁が灰色に入れて私は意識が 遠のき始めたのを感じ た大丈夫ですか 看護師さんの優しい手が私の腕に巻かれた 血圧系をふーふーと優しく膨らませてい た大丈夫じゃないよう ですこの先どうしていったらいいのか すごく混乱してい ますそこまで言うと席を切ったように喉の 奥からおえが込み上げた 奥歯でこみ上げるお越を噛み砕かとするの に大きなお越の塊りが勢いよく押し出され た子供のようにしゃくり上げる私の右手を 看護師さんは強く握ってくれ た1番好きなことをされるのも良いですよ と声をてくださった優しい慰めの声になぜ かわからない苛立ちと絶望 感自分でも不鮮明で理解不能な感情が涙を 押し戻し た次の通院日まで私は人生で初めて 引きこもっ たスポーツドリンクだけしか喉を通らず 布団から起き上がる気力もなく天井を眺め て過ごし た死んだように生き た私が過ごした30年は高校数学教師とし て受験指導に明けくれた30年だっ た些細な成績の差で内心点に差をつけ たその子の明るいさもうちに秘めた 素晴らしい才能も眩しい経験も数学の成績 に加点することはでき なかっ初任の頃こんなに偉そうに人を判定 するなんてと思った心も年を重ねるにつれ 罪悪感は薄れていっ た病して1年して私の両足の足首から先と 利き腕の右手の親指は薬のせいか麻痺が ひどく走ることも鉛筆を握ることにも苦労 するようになってい た身体 赤点学力も最近何も解いてない から自重気味に笑うと涙がこぼれ たふと障害者の施設でずっと暮らしている 姉の顔が浮かん だ病に入ってからは自分のことばかりで 会いにも行けなかっ たずっと昔姉を助けるために用語学校の 先生になりたいと作文に書いて参観日に それを見た母がすごく喜んでくれたことを 思い出し た胸がじわっと温かく緩ん だ姉のことを人に話しづらいと感じた 若かった日の自分をはじ た自分がどの道に生まれたのか古い記憶が 教えてくれるような気がし たいずれの道も死に至るならどの道の上で 私は死にたいのか 自分に通っ た突然特別支援教育の勉強がしたいという 思いが込み上げ た声に出してみるとそれは胸にしみ た私は通信性大学に入学手続きを取った ただ毎日をしたいこと精一杯今できること で尽くしたいと思っ た日々むさぼるようにテキストと参考書に 没頭し た試験を無事に終え教育委員会で交付され た免許場を見せに久しぶりに姉の施設へ 行っ た言葉が十分理解できる発のない姉が満面 の笑みで私を抱きしめてくれた 時を同じくして主人が定年退職のため 新しい主人を探さなくてはならなくなった 結果生存率がとても高いと評判のが専門の 病院に店員し た笑顔の優しい委員長は私もが患者一緒に 頑張りましょうと言ってくださっ たそこでの薬が体にあったのか癌の勢いも 示すマーカー地はじりじりと下がり続け 半年後の秋には正常値にまで改善体調も 以前の状態に戻っ た奇跡だと思え たでもこの先も再発や悪化があるかもしれ ないしかしもう良いと思っ たいずれの道もあの世に続くのなら私は 自分が納得した道の上で今日という日を精 一杯に幸せに生きて [音楽] いる生きていこうと主と決めたのだから [音楽] 命を見つめるフォト&エッセイでは今年も 作品の募集を開始しています詳しくは 読み切り新分社の公式ホームページや日本 石会ホームページをご覧 ください皆さんの素晴らしい作品が読める 日を楽しみに待っていますので是非ご応募 お願います 水の巻でした [音楽]

第7回生命を見つめるフォト&エッセー
エッセー部門 一般の部 読売新聞社賞受賞作品
作者:西川かつみさん
朗読:水野真紀さん(俳優)

第8回生命を見つめるフォト&エッセーの作品募集中!
2024年 5月9日(木)~10月2日(水)(必着)
\詳細はこちらから!/
https://jigyou.yomiuri.co.jp/photo-essay/works2024.html