『十八の夏』SPドラマ恋愛小説(観月ありさ・石垣佑磨)
[音楽] 2005年の梅の晴れ間にその人は突然 現れた長い髪に長い手足それまで僕が 付き合ったり好きになった女の子と明らか に違ってい た多分僕より年か長いしてるであろうその 人はとの緑の絨毯にあをかきスケッチをし てい たスケッチブックを持った 妖精僕は一目で恋をし たそれ以来自宅浪人中の僕は家族になんだ かんだ口実を作ってはその妖精に会いに 行った作りだ 毎日俳句好きで武装ファンの父親ならこう 言うだろう 一目惚れしてはいけないその人 [音楽] にそう僕が恋したその妖精はちょっとした 秘密を持ってい [音楽] たその夏僕はあなたを真剣に愛した [音楽] 秋には僕は19歳になる [音楽] あぶねえ 何やってん の これバカねこんなもんのため に元々捨てようと思ってた の捨てる 自分の排泄物溜め込む趣味はない の泄 物書くのが好きなだけ書いたものは見るの も 嫌来なさいようちすぐそこだから手当てし て あげるでも平気よ1人暮らしだから 大丈夫子供を誘惑する趣味ない からここよ ここ 何もないでしょ うん引っ越したばかりなの よ暮らしてけるんですかこんなで 寝るためだけの部屋だから池袋に マンションがあるのオフィス兼自宅にして たんだけど手々になっちゃって させめて夜ぐらい静かな街で寝るのも悪く ないかなと思ってここ住んでる人私しかい ないし家賃死ぬほど安い しスさんって何の仕事してるんです か名前さっきポストで たはね難しい字なの に一応受験生なんで浪人だ けど僕三浦深夜と言いますすぐ近くに住ん で て私はスオくみ子フリーのデザイナーよ へえだから絵がうまいんだ はい 終了終了 待待って待ってください 手当てしてもらった礼 です近所なんでしょなんでここに住むわけ 姉が出産で里帰りすることになって家中お 祭りみたいに大騒ぎで勉強にならない からお姉さんいくつ25 です君とは7つ違い か子供作るの7年前開くてことはさご両親 仲が悪い時期でもあったのさあすいません けどきっとさ君の誕生が離婚の危機を救っ たのよその救世書が今や浪人生のドラ息子 さぞかし公開してんでしょうねご両親君を 作ったこと勝手に僕にちのストーリーを 作んないでください 朝川ですかそうよ好きなんですねこの前も 書いてたし4つもあるしただ育てるだけ じゃつまんないから競争させようと思って どれが1番に花が咲くか 競争名前もつけてるのよこっちから お父さんお母さん僕 私変な 名前ねえ君のお姉さんはきっとお腹の 赤ちゃんに早く大きくなれって言ってるん でしょう ねまあそれに近い こと生き物はみんな必ず死ぬじゃ ない大きくな るってことはそれだけ死に近づくてことな の に早く鼻が咲くのは それだけ枯れる日も近いってことなの にそれを願うなんて変よ ね あのこの前部屋にあげたの私だし誤解させ たなら謝るでも私君が期待してるような ことはしてあげられない からだからもう来ないでね 僕はバイ [音楽] バイ生命判断見てもらったのよそしたらね やっぱり蒼いの方がいいみたいなのよね うんでもさお父さんは浅みの方がいいって 言い張ってるしなどうしても不の早から 取りたいって [音楽] スさん ス さんス さん行ったはずよここには来るなって倒れ たんですよすごい熱 でこれからはほっといてよ別に死んでも 構わない から何言ってるんですか 食欲出たらこれ食べて ください炊き込みご飯ですうちでは病人に はなぜか炊き込みご飯 で君のお母さんが作った の はいいらない持って帰っ て結構美味しいと思ういらないっ たらもしかして君が作った そんなに美味しくないか [音楽] もいいおむこさんなれるわ よ何か困ったことあったら床踏み鳴らして ください [音楽] だっ たら水やってくれる朝川 にはい [音楽] [音楽] どれが1番 う1番右だ から私さんか なねえ君のお姉さん は えあ退院してきましたよめこと一緒 に女の子だったん だ名前 はあみと蒼いでずっと迷ってるんです 浅見と 青い浅みの朝は朝顔の朝 はいどちらにしようかなで決めようとまで しました あ天の神様の言う通りって やつ22文字なんだから必ず初めた方とは 逆を選ぶことになるああいうのに頼る時 って実はじゃどちらを選びたいか決めてる んじゃないか なそんなことをないわ よ簡単に決められないことって人間には あるの よどうしていいかわからないことっ [音楽] てごめん少しうん眠りたい の はいありがとうねこの音はいつか返す [音楽] からスさんだけが飲んでるんじゃずるい ですしょうがない でしょ君まだ未成年なんだから世の中は しょうがないことだらけなんだけど今の うちに慣れときなさい [音楽] ね君彼女いるのいませ んやっぱり ねね教えて [音楽] あげるもしよに彼女ができたとしたら何 ですかそのありえないみたいな言い 方こういう時 はこうやっ て腰に手を回して支えてあげる のそれ で1度支えた相手を 絶対に手放したりしたらいけない [音楽] の ああ気持ち悪いだから飲みすぎなんです よあ そういえば朝顔に水やって ない1日水切らしたら枯れるかな枯れます よ枯れますだから帰り ましょうだったら帰ら [音楽] ない帰りたくないんだ [音楽] しし [音楽] 深夜 ああ朝帰り ああ入港の日だったからな大変だね出版社 も あゆ女の人と歩て だろ美人だが年上だろ 悪いかよいやいい趣味ださすが俺の息子だ よだからな 深夜本気になればなるだけ傷つく ぞよし 静かに ね分かっ てる相の部の だ私の部屋の ましまだ起きてるかもしれないからっ なんかよよがなかったら来ちゃいけないん です か当たり前 でしょオ返したはずよあなたをぶって帰る のは大変でし た話があるんですここで話して 夕べ男が来ていましたよ ね最初持ちはそんなにうまいですか 見たの見なくても分かりますあんな時間に 来て2時間したら帰って行くなんて本当に 寝るためだけの部屋だったんですねここの 家賃はあの男が出してるんですかこんな 安い家賃しか出してくれないような男やめ た方がいい不倫 なんてくみこさんらしく ない私らしくない私らしいってどういう ことよ私のこと何も知らないくせに分かり ます私簡単に人の気持ちが分かるなんて いうやつ大嫌い 分かるはずが ない誰も愛したことがない君なんか に何も分かってないのはあなたの方 だ僕の気持ちも何もかも全然分かってない どいて よ不倫してる女ならこんなことしてもいい と思ってるん だ私 に君を軽蔑させない で別してるのはこっちだよ そうよ ね君の言う通りだわ 好きにすればいいわ よそれ で君の気が済む ならあ [音楽] 朝顔や一輪深き縁の色 サブ ソンごめんねホットしかない の あま睡眠薬が入ってるの 嘘 よそういえばめこさんの名前 は浅みになりましたおじいちゃんの希望が 叶っ て そう あの今日は本当に謝らない で 私君が思ってるよりもっともっと最低なん だ からここ はあの人と寝るためなんかに借りたんじゃ ないあの人の家のそばに住んで家族の中の 誰かを殺して家庭をぶち壊してやりたくて 借りたの 怖くなっ たそんなことを考えさせる相手の男が 悪い恋しくて恋しく てでもその分憎くて憎く て誰かを殺さなきゃこの気持ち収まらない と思っ ただ けど誰を殺せばいいかわからなかっ た誰よりも憎いあの人を殺すの かあの人を独り占めしている奥さんを殺せ ばいいの かそれと もあの人が帰っていく幸せな家庭とやらの 中心になっている息子を殺してやったら いいの かそれと もこの朝顔の蜂は それを決めるためのロシアンルーレット だった の1番先に咲いた人を殺してやろうと思っ てくみこさん は本気で誰かを殺そうなんて思ってなかっ たはず だ思ってた わ苦しくて苦しくて苦しくて苦しく てこの地獄から抜け出せるんだったらなん だってできるだったらあの番どうして帰り たくないって言ったんです か本当は水をやらずに朝顔が枯れてしまえ ばいいって勝負なんてつかなければいいっ てそう思ってたんじゃないです か相変わらず生人の気持ち勝手に判断し て僕じゃだめですか 僕じゃあなたを救えません [音楽] かあなたが好きなん ですバカな子私は他の男を好きなんです やめて好きなんですやめてよ好きなんです やめてったら [音楽] 誰 もあの人の代わりになんてなれない の絶対 [音楽] に誰の蜂が咲いたんです かお父さんがあの 男お母さんが 妻僕がその息子で私が娘なら 違う わ娘はもう結婚して家を出ている ものだ からあなたのお姉さんのことじゃない わ私っていうのは私自身のこと よだって苦しみから逃れるためには自分を 殺しちゃうのが1番手っ取り早いって 分かってる ものルーレットに入れなきゃ不平 よごめん ねさ最初から分かってた のあの人の息子だっ てどの蜂が咲いた のあなたの蜂じゃないよ ね僕の蜂なんだよ ねあなたは死んじゃいけ ないあなたは死なないね [音楽] [音楽] 君のお父さんとは仕事で知り合った のお父さんの作る本のデザインを考える 仕事でも誤解しない でお父さんとは何もなかっ た私が一方的に恋をして一方的に憎んだ だけ 報われない恋だったけど後悔はして ない彼を愛した ことたった1つ後悔してるとし たら君ともっと別の形で出会えなかった ことか なお父さんよりももっともっと素敵な大人 になり なさいさようなら こんな感じで僕の18歳の夏は終わっ た親父とは何もなかったなんて優しい嘘を あなたはついてくれたけど僕は2年も前 からそのことを知ってい たそしてやっと探し当てたあなたに僕は恋 に落ち た忘れなきゃいけない人かもしれないけど 僕はもう一度あなたに会いたい [音楽] 例えばこのしおりが地面に落ちるまでに あなたに会いたいこのしおりが地面 [音楽] にさ
2006年7月