第8話 クリスマス

朝起きたってサンタさんが来ているような 年でもないのにまるで子供の頃に戻った みたいに今日という日が待ちしかったつい 早く目が覚めて今日1日の流れを頭の中で シミュレーションしたりし て早く眉に会いてえなってそればっかり 考えて たメリークリスマスかた君たくもっと普通 に登場しろよ 眉には気づかれないように会えた喜びを 噛みしめる今日は12月24日俗に言う 恋人たちのクリスマスだ冬休みが始まって まだ2日たった2日会っていなかっただけ でこんなにも会えた時の喜びが大きい卒業 したらもっと会えない日が続くんだろうな しかも高校には眉を狙ってる男たちが いっぱいいて [音楽] 耐えられんのか 俺会いたかったですなんで敬語あなんか 久しぶりでちょっと緊張しており ます無駄に経れポーズまでして見せる眉を 笑いながら愛しさが込み上げて くる俺も会いたかっ た 本当かた君も寂しかっ たて言っても冬休み始まってまだ2日だし なそそれはそうだ けど本当は昨日の夜今日が待ちきれなくて 珍しく俺から電話をかけたお休みが なかなか言い出せなくて余計切なくなった くせ にうわあ見てイルミネーションすっごい 綺麗子供みたいだなああまた子供扱い こんなのただの職だろって去年の俺なら 言ってたと思けどへ今年は綺麗か もそそれって私と一緒に見てるからってこ でいいんでしょうかだからなんで敬語なん だよ否定も肯定もしてないのにまゆは やっぱり楽しそうに笑っていてその笑顔に また満たされていく俺がいる伝われと願っ てついだ手にぎゅっと力を込めればすぐに 眉握り返してくれるこれを幸せって言葉 以外でなんて表現したらいいん だろう寒いうん平気だよじゃあ少し歩こう うん初めて会った日に突然告白されて しかもすげえボロボロ泣きながらいつもは よく知りもしない相手ならなおさら告白 なんて絶対に断るのにあの時の俺は眉の涙 を拭ってやりたいって思ったまさかこんな にも好きになるなんて想像すらしなかった けど自分でもはっきりと自覚せざるを得 ないくらい俺 は眉が好き [音楽] だ人もまばらな夜の公園普段ならこんな 時間に人なんていないのにさすが クリスマスカップルが多い 寒いんだろえ花真っ赤え嘘赤鼻のトナ みたい じゃんやだ 恥ずかしい あ 何かた君が声出して笑ってるのってなんか レアだなってだから目に焼きつけなくて いいからあれ今度は照れてる かた君可愛い うるせえ緊張してるとか言って敬語で話し てたかと思えば今度は俺を可愛いとか言っ てからかってくるし本当にまゆには調子 狂わされっぱなし だはい えこれクリスマスプレゼントわ可愛い マフラー あったかいありがとうかた君 きっとまゆは何をプレゼントしたって喜ん でくれてなんならプレゼントなんてしなく ても一緒にいられるだけで嬉しいって笑っ てくれるだろうだけど一瞬眉の首元に ネックレスが見えて口元が緩むその上に マフラーを重ねてこうしてちょっとずつ眉 の全部が俺でいっぱいになればいい なんて俺の中の独占欲ってやつが目覚めた らしい あのね私からもプレゼントがあるん だじゃーんはいこれ何開けていい開けて 開け てえこれ気に入ってくれ たもうすぐ大学生になる彼方君にかっこ いい腕時計してほしいなって思っ てそこにはく知ったブランドの腕時計 クラシックな丸いフォルムに三振の シンプルなクォーツムーブメント色は万能 なブラック場面を選ばずに使えそうなそれ は間違いなく俺の好みど真ん中で大学生 向けくらいのブランドとはいえ高校生の俺 たちが手を出すにはためらわれるくらいの 値段はするもの だ実はサプライズしたくて黙ってたんだ けど夏休みにバイトしてたんだバイトうん 近所のカフェで同じクラスの木村君に 夏休み限定で紹介してもらったの全然 気づかなかったま夏休みはほとんど学校と 塾の往復だったし眉に会える日も少なかっ たけど俺のためにバイトまでしてくれる なんてそうだったんだありがとうすげえ 嬉しい毎日つつけるからうん会えない日も これつけて私のこと思い出してほしいなっ て思い出すも何も忘れることなんてある わけないえいいやなんでも ないそれよりそのバイトってクラスメイト の木村も一緒だったわけんうんそりは もちろん木村君のおじさんのお店だし色々 教えてくれて助かったよ俺が勉強してる間 にまさか眉が他の男と一緒だったなんて 俺眉のことになるとかなり心狭いか もか 君もしかしてか君木村君に焼きもち焼い てるなダサいからわざわざ声に出して言う なよダサくなんかないよそれに可愛い 可愛いはなし男は好きな子の前ではかっこ よくありたいもんだ から好きな子照れちゃって 可愛い もうかた君 大好き まゆ へ俺 も頬真っ赤に染める眉を見ながら気づけば 俺の口元も 緩むメリークリスマス世界一可愛い俺の 彼女HV [音楽]

好きな人が隣にいる。これを『幸せ』って言葉以外で、なんて表現したらいいんだろう。

<<登場人物/キャスト>>

佐々木茉夕 / 大友花恋

安藤叶多 / 矢部昌暉(DISH//)