新型コロナ 女性は、男性の約2倍発症しやすい 専門家「ワクチンは自分の判断優先」 (24/08/01 15:36)

女性は、男性の約2倍、発症しやすいといいます。新型コロナウイルスのいわゆる“後遺症”に関する調査で、ある結果が報告されました。

 時間外の救急窓口として診療を手配する「ファストドクター」。

 専用のアプリなどを使用することで、自宅にいながらも医師の往診やオンライン診療の依頼をすることができます。

 東海エリアに住む、70代の男性。東京から帰省した娘が、新型コロナにかかり、その後、男性も陽性と診断されました。

「通常の体制よりも約1.5倍オンライン診療の医師数を増やしていまして、体制を厚くしています」(ファストドクター 吉井康裕 医師)

 夏休み期間は、医療機関の受診ができない時期が増えることや熱中症の患者も増えることを見越しサポート態勢を強化しているといいます。

「KP.3」が流行

 さらに、ここ最近のコロナ患者について――

「6月末から7月初めの東海エリアのコロナ陽性率が29%だったが、7月末にかけては陽性率が58%まで増え、約2倍上昇してきている。なかなか今回の特徴は難しいけれど感染力は強そうで、やはり家族に1人いるとみんなかかる感じは印象としてある」(吉井医師)

 東海3県では、定点観測されている1医療機関あたりの患者数は21日までの1週間では、愛知が20.82、岐阜が17.45、三重は13.49と増加しています。

 現在は感染力が強いと言われる「KP.3」が流行しており、この地方でも、改めて感染対策の徹底が呼びかけられています。

コロナ後に2カ月以上続く症状を調査

 これまでにコロナの後遺症として、倦怠感・味覚障害・咳や息切れなどが報告されています。

 そんな中、7月、国立国際医療研究センターが、おととし7月から8月に、東京都在住のコロナ感染者8300人あまりを対象に2カ月以上続く症状を調査しその結果を発表しました。

 その結果、感染者の11.8%に2カ月以上続く症状がみられ、このうち「咳」や「集中力低下」「脱毛」の症状の頻度が高かったということです。

 さらに、40代の人は20代の人の約1.3倍、女性は、男性の2倍ほど、発症しやすいことが報告されました。

後遺症について感染症の専門家は――

 ただ、後遺症については、明確な把握は難しいと感染症の専門家は指摘します。

「後遺症は数字で出なかったり、レントゲン撮っても分からないこともあるので、実際どのぐらいあるかというのは非常に難しいんですね。しっかりと数字が出ることによって、我々は理解できるようになりますし、それに対する対応もはっきりすぐできますので、そういうつもりで医療をすることが必要だなと感じます」(公立陶生病院 感染症内科 武藤義和 医師)

 また、後遺症については、時間をかけて見極める必要もあると訴えます。

「(症状が)何年も続くというケースは、非常に少ないと言われていますので、おおむね2~3カ月ぐらいで自然に治っていくのではということも言われています。まずは後遺症の定義が一般的には3カ月以上続く症状と言われています。やっぱり1カ月ぐらい咳が続くというのは風邪でもありますのでそのレベルではまだ心配しなくていいんじゃないかなと思うんですね」(武藤医師)

必要以上に不安にならないように

 武藤医師によると、新型コロナに感染後1ヶ月くらい咳が続くことは、しばしばあるため、必要以上に不安にならなくてよいと話します。

「『後遺症かも』と不安になることで余計に気になったりするケースがあるので、まずはしっかり『今の症状は治りかけだから体が頑張って直そうとしているのかな』という考え方を持っていただいてそれでも治らない場合は、やっぱりしっかり受診する流れがいいんじゃないかなと思いますね」(武藤医師)

 また、ワクチン接種によって、後遺症を半分くらいに減らすことができるとする海外の報告もあり、秋から始まる定期接種について、特に高齢者は、正しい情報に基づき判断して欲しいと話します。

「副反応の心配があると思いますので、誰も彼も打ったほうがいいとまでは言わないかなと思う。まずご自分がワクチンを打つべき対象なのかどうか、打ったほうがいいのかを自分の判断は一番優先していただくことがいいなと思うんですね。全員が全員打ったほうがいいという時代ではなくなってきていると思います」(武藤医師)