4区、6区は激戦予想 静岡県内8選挙区の終盤情勢【衆議院議員総選挙2024】
10月27日に投開票される衆院選をめぐり、JNNでは、22日と23日にインターネット調査を行いました。SBSの独自取材を加味して、静岡県内の8つの選挙区の終盤情勢を分析します。
静岡県内8つの選挙区のうち、1区、2区、5区、7区では自民党の候補が優勢。一方、4区と6区は激戦が予想されています。そして、自民党派閥の裏金問題で揺れた3区と8区では野党の立憲の候補が優勢です。
【静岡1区】立憲民主党・元職 高橋美穂氏、日本維新の会・新人 山下洸棋氏、共産党・新人 鈴木節子氏、自民党・前職 上川陽子氏、無所属・新人 鈴木惇弘氏
1区は、自民党の上川候補が優勢。自民党の総裁選に出馬し、さらに知名度を上げていて、男女、年代問わず強さをみせています。
【静岡2区】自民党・前職 井林辰憲氏、参政党・新人 提坂大介氏、立憲民主党・新人 鈴木岳幸氏
2区では、自民党の井林候補が政党支持層を固めて、優勢となっています。
【静岡3区】自民党・新人 山本裕三氏、無所属・新人 杉村義夫氏、日本維新の会・新人 釜下由佳子氏、無所属・元職 宮沢博行氏、立憲民主党・前職 小山展弘氏
3区は、立憲の小山候補が先行しています。自民党の山本候補は、地元の掛川市をはじめ、支持を広げていますが、自民党を離党した宮沢候補が出馬したことで保守票の分散は避けられない状況です。
【静岡4区】自民党・前職 深沢陽一氏、国民民主党・前職 田中健氏
静岡県内で唯一の与野党一騎打ちの構図となり、大物議員が応援に駆け付け、激戦を繰り広げています。
自民党前職の深沢候補は「私はまず3期目に向けて、地方の成長、これをしっかりと成し遂げていきたい」と地方の経済成長を訴え、3期目を目指します。
先週末、応援に駆け付けた岸田文雄前総理も「この政治の信頼回復に向けて努力をしてもらわなければならない。そのときにみなさんの期待に応えられる候補者、この静岡4区においては深沢さんしかいない」と後押しします。
一方、国民民主党前職の田中候補は「103万円を今回178万円まで上げて、みなさんが就業調整せずにまた頑張りたいと思った時は頑張れるように」と手取りを増やす政策を掲げます。さらに政治とカネの問題を批判し、政治資金規正法の再改正を訴えます。
「きょう私がお願いに来たのは、田中さんを小選挙区であげてもらいたいんですよ」と国民民主党の玉木雄一郎代表もたびたび、応援に入るなど、激戦を制するために党をあげての応援合戦が続いています。
【静岡5区】共産党・新人 下山一美氏、立憲民主党・新人 外山和之氏、自民党・前職細野豪志氏
静岡5区は、自民党に入って初の選挙となる細野候補が優勢となっていて、幅広い年代の支持を受け大きくリードしています。
【静岡6区】れいわ新選組・新人冨谷皐介氏自民党・前職勝俣孝明氏立憲民主党・前職渡辺周氏
静岡6区は、激戦を繰り広げてきた前職2人と新人による三つ巴の争いです。今回も前職2人による熾烈な戦いが最後まで続くと予想されます。
「大変、厳しい選挙戦。小選挙区で1票でも勝ち抜いて、そして5期目新たな扉をしっかりとみなさんと一緒に開いてきたい」と語るのは、自民党の勝俣候補。前回、小選挙区での初勝利を飾りましたが、今回は自民党の逆風の中で戦います。
激励に駆け付けた小泉進次郎選対委員長は「選ぶべきは誰なのか必ず伝わると思います。必ず勝つと。1票差でも勝つ」と力をこめます。
「普通の人が、皆さんが守らなければいけないルールは政治家も守って当然だと。そんな話がいっぱいある。私は一括りにして、おかしなことをうやむやにはしない」と訴えるのは、立憲民主党の渡辺候補。10回目の当選を目指します。裏金問題を強く批判し、野党への追い風を背に小選挙区当選を狙います。
立憲民主党・野田佳彦代表が地元に駆け付け、「今回は何としても本来の実力通りに渡辺さんに小選挙区で勝ってほしい」とその勢いを後押しします。
「みなさんどうか気づいてほしい。私たちの生活、自民党政治が続くと消費税が上がり、ますます冷え込む。冷え込むどころか凍り付いてしまう」と前職2人の対決に割って入るのが、れいわ新選組の新人・冨谷候補です。
静岡県内では唯一のれいわ新選組の候補で「消費税をなくして生活を底上げする、手元に残るお金を増やす」と訴え、自民党への批判票の取り込みを目指します。
【静岡7区】立憲民主党・元職 日吉雄太氏、自民党・前職 城内実氏、共産党・新人吉川奈緒子氏
静岡7区は、自民の城内候補が優勢。現役の大臣である城内候補は、7期目を目指して支持を広げています。
【静岡8区】立憲民主党・前職 源馬謙太郎氏、日本維新の会・新人 寺島瑞仁氏、自民党・新人 稲葉大輔氏、共産党・元職 平賀高成氏、無所属・新人 加藤順久氏
静岡8区は裏金問題が色濃い選挙区です。立憲の源馬候補が政権交代を掲げて先行し、自民党の新人の稲葉候補が信頼回復を強調し、追いかける展開です。
まだ、投票先を決めていない人も一定数いますが、仮に、激戦を野党が制すれば、静岡県内8つの選挙区のうち、半分の4つの選挙区で野党が勝つことになります。政治改革が進んでいくのか大きな分岐点になりそうです。