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2024/10/27 12:00 ウェザーニュース

10月27日(日)9時現在、台風21号(コンレイ)はフィリピンの東を西進しています。大型の台風ではなくなりました。今後急速に発達し、暴風域を伴って非常に強い勢力で沖縄の先島諸島に接近するおそれがあります。

▼台風21号 10月27日(日)9時
 中心位置   フィリピンの東
 大きさ階級  //
 強さ階級   //
 移動     西 15 km/h
 中心気圧   994 hPa
 最大風速   18 m/s (中心付近)
 最大瞬間風速 25 m/s
» 最新の台風情報

非常に強い勢力で沖縄接近のおそれ

マリアナ諸島から西進してきた台風21号は、この先は進路を北西に変える見込みです。今週後半には沖縄の先島諸島方面に進む可能性が高くなっています。

進路にあたる海域は台風の発達に適した環境になっているため、この先は急速に勢力を強める見込みです。明後日29日(火)までに暴風域を伴い、31日(木)には非常に強い勢力に発達する予想です。

沖縄や奄美では台風の接近前からうねりを伴った高波で大しけになり、週後半は暴風を伴った雨で大荒れの天気となるおそれがあります。食料の買い出しや暴風・停電対策などを早めに進めるようにしてください。

北東に転向して九州・四国・本州方面に向かう可能性も
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参考 世界各国の気象機関が計算した進路の数値シミュレーション結果

気象庁の台風情報は5日先まで進路が予想されていますが、その後の進路を数値シミュレーションを参考に検討すると、九州・四国・本州方面に影響が出る可能性が考えられます。

この図の細い線1本1本は、世界各国の気象機関が計算した数値シミュレーションの結果をあらわします。アンサンブル予報という手法による低気圧中心の計算結果で、初期値に意図的な誤差を与えることで予報の確実性などを検討する材料になります。

これらを比較すると、北上し始める頃から予測コースにばらつきがでることがわかります。現時点の予測では、南シナ海方面に西進する予測は少数派で、本州付近へ北東進するコースが多数派となっています。

なお、より高解像度のシミュレーションモデルでは、本州付近へ北東進するコースが多数派ではあるものの、台湾北部方面を通って大回りで進む予測が多くなっています。この場合は陸地の影響で勢力を落とす可能性も考えられます。

どのコースをたどるかは高気圧の勢力次第となりそうです。日がたつにつれて誤差は縮小する見込みですので、今後の情報にご注意ください。

台風が離れていても前線の雨に注意
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台風21号の北上前から本州付近には前線が停滞する予想で、台風からの湿った空気が流れ込むと活動が活発になることが考えられます。特に29日(火)〜30日(水)や11月1日(金)〜3日(日)頃は雨雲が発達しやすくなる見通しです。

台風が北東進してきた場合には、台風と前線の雲がまとまるような形になって広い範囲で雨が強まるおそれがあります。台風の進路によって影響が大きく変化することになりますので要注意です。
» レーダー 風モード(ウィンドフロー)

台風の暴風域に入る確率

5日先までに台風の暴風域に入る確率が0.5%以上の府県予報区は以下の通りです。(気象庁)
 沖縄本島地方   6 %
 宮古島地方    45 %
 八重山地方
  石垣島地方   66 %
  与那国島地方  58 %

11月に本州接近は珍しい
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平年の台風発生数

台風発生数の平年値は、10月が3.4個、11月が2.2個と、まだ平年でも台風が発生する時期といえます。一方、11月になると日本に近づく台風は大幅に減少し、1951年以降で本土(北海道、本州、四国、九州)に接近したものは3つしかありません。

ただ、1990年の台風28号が11月末に本州に上陸した事例もあり、まだ油断は禁物です。もし今回の台風21号が日本に上陸すれば、統計史上2番目に遅い上陸ということになります。
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台風の名前

北西太平洋や南シナ海で発生した台風の名前は、国際機関「台風委員会」の加盟国などが提案した名称があらかじめ140個用意されていて、発生順につけられます。

台風21号の名前「コンレイ(Kong-rey)」はカンボジアが提案した名称で、クメールの伝説上の少女の名前/それが元になった山の名前からとられています。
» レーダー 台風モード

参考資料など