海運の大動脈、エジプトのスエズ運河で、日本の会社が所有する世界最大級のコンテナ船が座礁し、大渋滞が起きていることが分かりました。

■“世界最大級”のコンテナ船が座礁

 23日にエジプトのスエズ運河を捉えた衛星写真です。横向きになった船が、水路にすっぽりとはまっていました。

 地上から見ると、コンテナ船が運河をさえぎるように止まっているのが確認できます。

 実は、この運河の幅は300メートルほどもあり、コンテナ船がいかに巨大であるかが分かります。

 現場を撮影した別の写真では、船首が護岸にぶつかっている様子が写っていました。

 座礁したのは全長約400メートルと、東京タワーよりも長い、世界最大級のコンテナ船で、一緒に写っていた重機からもその大きさが見て取れます。

 コンテナ船を所有しているのは、愛媛県今治市の正栄汽船で、運航は台湾の会社が行っていました。

■エジプト政府が原因発表「砂嵐と突風」

 この座礁の影響で、運河の入り口にあたる海上では、待機する船で渋滞ができていました。

 GPSを基にした位置情報を見ても、運河の両側には多くの船が待機しています。現在も、165隻ほどが立ち往生しているということです。

 コンテナ船座礁の原因について、エジプト政府は「砂嵐のため視界が確保できず、突風が吹いたため座礁した」と発表しました。

 現場では復旧作業が進められていますが、難航しています。

■発生直後のため今のところは“影響なし”

 このスエズ運河は、アジアとヨーロッパを結ぶ最も重要な航路で、1869年に開通しました。

 川幅は狭いところで200メートルほどで、1回の通行料は1隻につき、日本円で約3260万円(約30万ドル)と高額です。

 ただ、横浜・ロンドン間を例に取ると、それまでのアフリカ大陸をぐるりと回るルートに比べ、10日ほど短縮できるため、去年は約1万9000隻の大型船が通過しました。

 日本の海運大手によりますと、発生直後のため、今のところ運河が通れない影響は出ていないということです。
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