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IOCコーツ委員長「宣言下でも五輪開催」



 2か月後に迫った東京五輪。菅総理と小池知事は半年ぶりに会談し、安全安心の大会にすべく連携していくと強調しました。ワクチンの大規模接種センターでは予約できないトラブルも。一方、IOCは宣言下でも五輪開催の考えを示しました。

 大会まであと2か月。21日夜、IOCと大会組織委員会が会見を行いました。

 「(Q.東京都に緊急事態宣言が発令されている状況になった場合、大会は開催しますか)選手や日本国民の安全を守るためのプランは最悪の想定に基づいたものですし、答えは完全に『YES』です」(IOC コーツ調整委員長)

 コーツ委員長は、東京に緊急事態宣言が出されていても東京オリンピック・パラリンピックを開催すると力強く答えました。

 一方で、観客を入れることについて橋本組織委員会会長は、感染状況によっては難しいとの認識を示しました。

 「安心安全ということが実感できない限りは非常に難しいと思っている」(大会組織委 橋本聖子 会長)

 21日午後、東京都の小池知事は官邸に。急きょ、菅総理と半年ぶりに会談することになったのです。関係者によりますと、会談は小池知事側が申し入れたもの。小池知事はワクチンの提供を国に要請したそうですが、オリンピックについても意見交換したということです。

 「(Q.ワクチンがちゃんと出来れば東京五輪も可能)安全安心な大会にすべく様々な工夫・努力を継続して参りました。それに変わりはありません。(Q.五輪に向けては総理と思いが一致した)連携していくということに変わりはありません」(東京都 小池百合子 知事)

 一方、菅総理は・・・
 「安全安心な大会にするべく、引き続き協力していく。感染拡大を防止して国民の命と暮らしを守る。ここが最優先すべきであるということは当然のことであると思っています」(菅首相)

 総理は、安全・安心な大会と繰り返しますが、国会では専門家から開催可否の判断を促す意見が出ました。

 「直前で判断するわけにはいかないんです。当然、Xデー、Xウィーク前に判断するんで、やる、やらないも含めて、当然、オーガナイザーの責任だと思う」(コロナ対策分科会 尾身 茂 会長)

 そのオリンピックの行方を左右しかねないのがワクチン接種です。小池知事は菅総理との会談で東京都独自の大規模接種会場を設置することも報告したといいます。

 「築地にデポという形で空間があるので、そこを活用して」(東京都 小池百合子 知事)

 築地市場の跡地を会場にし警視庁や東京消防庁の職員への接種を行うということです。

 ワクチン接種の準備は各地で進められています。21日、「news23」が取材できたのは埼玉県の大規模接種会場の設営の様子。

 「こちら側が受付のエリア。このように椅子が互い違いになるようにソーシャルディスタンスが保たれるようにしているということなんですね」(記者)

 こちらの会場では来月1日からワクチン接種を開始し、65歳以上を対象に1日700人の接種を想定しています。

 「東京・大阪の会場でそれぞれ接種が進んでいる。ただ埼玉県では都道府県間の移動をなるべく自粛していただきたい。県内で受けられるように(会場を)設けた」(埼玉県 接種センター担当 並木皓人 主査)

 来週から接種が始まる東京・大手町の大規模接種センターではシミュレーションが行われました。ただ、このセンターの予約システムについては順調とは言えないようです。

 「(予約作業を)50回くらいやった」
 こう話すのは渋谷区に住む68歳の女性です。大規模接種センターの予約は今週から始まりましたが、架空の接種券番号でも予約を取れてしまうなどの問題が開始直後から明らかになっていました。

 「『間違った番号を入力しても予約できた』という人が大勢いるとのニュースを見たので。間違った番号を入れた方が予約できるのかしらと思って」(大規模接種センターの予約ができなかった68歳の女性)

 自分が住む渋谷区のものではない別の区の番号を入力したところ、予約できたということです。しかし、実際に接種できるか心配だと話します。

 「『間違った番号入れないでください』なんて言われても困るんですよ。間違った番号でしか予約ができないシステムになっているんだから」(大規模接種センターの予約ができなかった68歳の女性)

 一方、この大規模接種センターについて開設は3か月間の予定でしたが、政府は8月下旬以降も継続する方針を固めました。(21日23:39)