53年ぶりに白石聡(宇津井健)は、生まれ育った浦安の町に、娘の智子(羽田美智子)と同居するために戻って来た。しかし、街は一変しており、智子が言う、ここが「お父さんのついのすみか…」という言葉もピンとこない。自らが慣れ親しんだ町を求めて歩き回ると、ばったりと小学校時代同級生でガキ大将だった吉沢弘(津川雅彦)と再会し、誘われるまま同窓会に出席することに。
 昔は痩せ細っていた及川明男(北村総一朗)は風呂屋を継ぎ、健康オタクになり、控え目で弘によく殴られていた大谷博夫(勝部演之)は大企業の大株主兼相談役、ガリ勉だった渡辺正輝(小松政夫)は孫のためにわざと古臭い言葉を使う“いいおじいちゃん”にすっかりなっている。そして、みんなのマドンナ的存在だった綿谷規子(草笛光子)も現れ、同窓会は一気に華やぐ。53年ぶりの慣れ親しんだ顔ぶれだったが、話題は寿命のことなど暗い話ばかり…。
 そんな中、明男が“生きようって気持ちを起こさせる”ために、「“長生き競争”をしよう!」と提案をする。それは、自らの残り少ない命にお金を賭けて、最後まで生き乗った者が、賭け金を総取りする…という、戦中派とは思えない発想の競争だった! 最初は尻ごみするメンバーだったが、「人生最後にこんな粋狂なことはないじゃねえか」という明男の言葉がみんなの心を突き動かす。
 そして翌日、その張本人の明男が倒れ、その意志を引き継ぐべく、長生き競争がスタートする。
 そんなある日、聡のマンションに、山田エリ(石原さとみ)と名乗る若い女の子が突然転がり込んでくる。以前街で、エリが元カレの毅(城田優)と揉めているところを、聡が助け、すっかり懐かれてしまったのだ。「白石さんのお嫁さんになりた~い」などと、孫ほども年が離れていながらも無邪気に言うエリを、聡はこれも人生の酔狂だと同居人として受け入れるが、智子とはそのことが原因で大喧嘩に。毅からも勝手に恋敵として凄まれてしまう。
 そしていつしか、天真爛漫なエリとの奇妙な同居生活が、聡にとっても智子にとっても、かけがえのない時間となっていくが、やがてエリが抱えてきた秘密が明らかになり、彼女もまた長生き競争に参加することになる。
 聡を「運命の人」だと言うエリ。その2人を見守る智子。弘と規子の交錯する想い。明男、博夫、正輝、それぞれの人生。
 粋な人生を貫いた人々の物語です。あなたは人生の最期に、しっかり生き抜いた、と胸を張れますか?