新型コロナウイルスの感染者が増える予兆が下水を調べると判明するという最新の調査結果が出ました。エリアを絞った感染状況の把握や対策に期待が寄せられています。

 千葉県船橋市を走る下水処理施設の担当者。向かった先は道路にあるマンホールです。

 船橋市では下水を直接、採取して下水中の新型コロナウイルスの遺伝子を調べています。これは下水から新型コロナウイルスの感染状況をつかむ「下水疫学検査」と呼ばれるもの。

 金沢大学が自治体の協力を得て定期的に下水を採取し、モニタリングを行うことで感染者の増減を約1週間前から予測できるとの調査結果が分かりました。

 分析は現在も続いていて今回、判明したのは市内の下水処理場2カ所とマンホール9カ所で、採取した水に新型コロナウイルスが残っているかどうか去年7月から今年5月にわたって調べたものです。

 3回の繰り返し検査を行い、3つとも「陽性」だった場合、1週間から10日後に療養を必要とする人が増加する確率は90%。また、1回から2回だと60%の確率で増えていました。

 一方、3回とも陽性が出なかった場合は70%の確率で療養者が減少したそうです。

 下水から感染状況を予測するという手法に「政府分科会」の尾身会長も注目しています。
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