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東京五輪“無観客” 安堵の声も・・・分かれる明暗(2021年7月9日)



 東京オリンピックについて組織委員会は、1都3県の競技会場を無観客に決めました。競技場近くの人々は、安堵(あんど)と落胆の明暗が分かれています。

 ついに聖火は、東京にやってきました。

 東京都・小池百合子知事:「皆で応援して参りましょう。よろしくお願い致します」

 紆余曲折ありましたが、あと2週間です。お披露目式は、無観客。リレーは全面中止と、異例づくめも、もう見慣れた景色です。

 第一走者・松岡修造さん:「この聖火が一歩を踏み出す大きな力になることを僕は信じています」

 観客についての対応は分かれています。

 宮城県・村井嘉浩知事:「宮城県においては、予定通り開催して問題ないだろうと判断しました。できるだけ真っすぐお帰り頂くような啓発運動をしていきたい」

 1都3県は無観客となりましたが、宮城県などは基準内で観客を入れて開催します。賛否は、分かれています。

 仙台の人:「野球も人を入れている。五輪ダメというのは無理がある」「人が動かない方がいい」

 こんな判断をした自治体もあります。

 サッカーが行われる茨城県。原則、無観客となりました。鹿島アントラーズの本拠地で、Jリーグは観客を入れています。

 茨城県・大井川和彦知事:「これまで、カシマスタジアムでスポーツ観戦などを行ったということでありますけれども、東京都は無観客という決断をされたわけですので、それに準じた取り扱いをすべきと感じております」

 オリンピックのサッカー会場近くにあるブラジル料理店では、無観客に胸をなでおろしていました。

 ブラジル料理店ベリンバウオーナー・渥美リカルド兼治さん:「東京もこれだけ(感染者数が)増えていると、鹿嶋に来る客はほとんど全国からあちこちから来るので、無観客の方が良かったと思う。中には怖いという人もいるので」

 こちらの店ではJリーグの試合の日は、人が集まらないようテイクアウトのみの営業にしています。感染に不安を抱える地元の人のため、その他の日も、完全予約制にしています。

 ブラジル料理店ベリンバウオーナー・渥美リカルド兼治さん:「観客入れてやるようなら、外で食べるかテイクアウトだけにしようと思っていた」

 経済効果を期待していた人もいます。

 タクシードライバー:「私の仕事としては残念。鹿嶋が活気付くから大歓迎だった」

 カシマスタジアムは、駅からタクシーを利用する人も多く、こんな準備もしていました。

 タクシードライバー:「ワクチンもオリンピックに間に合うように2回、打ちたいと。自分なりに段取っていた。もう2回、打ちました」

 肩を落としている人は、まだいました。

 競泳のチケットを購入・梅原聡さん:「死ぬまでの間にもう1回あるかないかという機会だと思うし、自国開催なので、そこはかなりむなしいなと」

 水泳のチケットを購入した梅原さん。10カ月の子どもも生まれ、1年延期となったため、家族3人での観戦を楽しみにしていました。

 競泳は復活を期す池江選手など、注目選手が目白押しなだけにテレビでエールを送ります。
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