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カギ握る「中南米系」激戦地フロリダ州の行方は(2020年11月2日)

アメリカ大統領選が日本時間3日に投票日を迎えます。

トランプ大統領が“ここで負けたら終わり”と言われているのが、選挙人の数が激戦州のなかで最多のフロリダ州です。100年近く、フロリダで負けた共和党候補は1人も大統領になれていません。今回、勝敗のカギになると言われている郵便投票の集計がすでに始まっています。

勝敗を左右するのはヒスパニック層と高齢者層の票の行方ですが、ここにトランプ大統領への逆風が吹いています。

前回の大統領選で、トランプ大統領がフロリダ州を制した要因の1つが高齢者層だと言われています。ところが今回、高齢者からの支持でリードしているのはバイデン氏です。

バイデン支持、ルーカスさん(75):「シニア層はもともと医療保険制度に関心を寄せてきたが、今回は新型コロナが自らの命に与える影響を心配しています」

フロリダでは新型コロナウイルス感染者が80万人を超えていて、トランプ支持だった高齢者のなかには、感染拡大をきっかけに考え方が変わった人もいます。介護施設にいる夫との面会ができなくなったシェリングさんはその1人です。

共和党からバイデン氏にくら替えした、シェリングさん(75):「新型コロナの影響で6カ月も面会ができなくなりました。『新型コロナはフェイクだ』と言い切るなんて理解できません」

フロリダを制するためにもう1つ必要なのが、人口の4分の1を占める、中南米系の移民層です。なかでも、キューバなどの社会主義国家から移り住んだ人の多くは共和党支持です。

トランプ支持キューバ系移民、ラモスさん:「トランプは自由を追求する人。バイデン氏がやろうとしているのは閉鎖だ。私も2回、新型コロナに感染しているがへっちゃらだ。コロナなんて、ささいなことだ。ステイホームでウイスキーでも飲んでいれば治る」

一方で、全く逆の考えを持つ人も出てきています。同じキューバ系のリベロさん夫妻は、バイデン氏支持を公言しています。

バイデン支持キューバ系移民、マイケル・リベロさん:「妻のおじとおばが新型コロナに感染している。70歳を超えているので、とても怖かった。バイデン氏を支持する理由は医療制度だ。彼は“オバマケア”に前大統領と取り組んだ実績がある」

マイノリティーの中でも意見は割れていて、リベロさんを取材中に、その分断を象徴するかのようなことも起きました。
バイデン支持キューバ系移民、マイケル・リベロさん:「トランプ支持者のやつらが遠くからクラクションを鳴らしてくる。最初はこっちを支持しているかと思って車にバイデンのプラカードを置いたら、男がそれを外して友人に殴りかかったんだ。いつも嫌がらせをしたり、脅したり、恐怖を植えつけようとしている。もうたくさんだ」

キューバ系市民の間でも分断が深刻化する裏で、変化が起きているといいます。

バイデン支持キューバ系移民、マイケル・リベロさん:「キューバ系コミュニティーではバイデン支持者も多いものの、皆それを公表したがらないのは、トランプ支持者から敵視されたり、嫌がらせを受けることが多いからだ。
[テレ朝news]