アメリカ大統領選挙は、共和党候補・トランプ大統領と民主党候補・バイデン前副大統領の接戦が続いています。

選挙人270人以上を獲得すると勝利となる大統領選。CNNが伝えている最新の情勢では、トランプ氏が激戦州のテキサス州、フロリダ州、オハイオ州を押さえました。日本時間4日午後10時現在、トランプ氏が213人、バイデン氏が224人の選挙人を獲得しています。

4年前の大統領選挙では、世論調査が実際の結果から大きく外れました。今回もフロリダ州では、世論調査ではバイデン氏が0.9ポイント差つけてリードしていましたが、実際にはトランプ氏が勝利。ウィスコンシン州、ペンシルベニア州、ミシガン州では、まだ結果は出ていませんが、世論調査と実際の数値に差が出ています。

(Q.世論調査の精度が上がったという話もありましたが、なぜ今回も外れたのでしょうか?)

アメリカ政治に詳しい早稲田大学・中林美恵子教授

「出口調査などもっと詳しいデータがこれから分析されることになると思いますけれど、現在のところだと、どれだけの人を投票に行かせるかという“熱量”だと思います。トランプ大統領は終盤に向けて、投票所に行こうという追い立てを非常に成功したと言っていいと思います」

「もう1つは、人柄を選ぶのかそれとも政策を選ぶのかという、大きなせめぎ合いがありました。トランプ大統領の人柄ではなく、経済的な政策を選ぶ。そして、その実行力を選ぶ人が、この局面に出てきていた。その人たちが投票していた可能性が高いです。

「なぜ世論調査が外れてしまうのか。世論調査は、全国民にサンプルとして電話をかけますが、答えた人が投票に行くとは限りません。しかも、熱量の低いバイデン支持者は、ちょっと色んなことがあると行かなかったりする。ところが、トランプ支持者はすごい熱量です。雨が降っても新型コロナウイルスがあっても投票に行くという人たちの熱量は、世論調査ではなかなか測れないんだと思います」

「じくじたる思いをするワシントンの人間から聞いた話ですが、熱烈なトランプ支持者の人たちは、フェイクニュースだと言いたいがために、世論調査の電話がかかってくると、切ったりとか答えなかったりということも頻繁に起こっているといいます。そして、メディアが世論調査を間違えると『それ見たことか』『やはりフェイクニュースだ』いう人たちが、トランプ支持者のなかにいるのではないかという声がアメリカの一部ではあります」

(Q.世論調査では、迷っている人やトランプ支持者の心までは読み切れなかった可能性もありますね?)

朝日新聞国際報道部・梶原みずほ記者

「それともう1つは、アメリカは今回、コロナで死者が23万人以上で世界一で、アメリカの有権者は深い傷を負ったと思います。
[テレ朝news]