Arc

監督/石川慶
   蜜蜂と遠雷(19)

出演/芳根京子、寺島しのぶ
   岡田将生、清水くるみ
   小林薫、風吹ジュン
   ほか

 産まれたばかりの赤ちゃんがいる病室。母親は17歳のリナ(芳根京子)だったが、彼女は幼い子どもを見捨てるようにして病室をあとにする。

リナ19歳。
アンダーグラウンドなステージで無音の中、すべての人を敵視するようなコンテンポラリーダンスを見せるリナ。観客をも巻き込んだ身勝手なダンスのためステージが追い出されてしまう。
そこで声をかけたのが、そのスタージをVIP席でみていたエマ(寺島しのぶ)だった

エマの会社・エターニティ社はプラスティネーションという、遺体を立体造形物として生まれ変わらせる事業をする行っていた。そのままスタッフとして働くリナは、いつしかエマのあとを追いかける立場となっていく中、天音(岡田将生)と出会う。天音はエマの弟で、死者を扱うのではなく、永遠の命を得るための研究をしているという。
いつしか会社組織の姿は変わり、エマは会社を追放され、天音が提唱するテロメアを無限回帰させる技術がお披露目される。
そしてその実践第1号としてリナが永遠の若さを手に入れるのだった。

歳を取らなくなった彼女は長く生きる中でなにを観るのだろうか?

不老不死というテーマの作品があるなかでも、途中まで不老不死が全く出てこない。そこまでは死者を死者として扱わず、芸術作品として取り扱っている所が、比喩でもあり揶揄でもあるところ。

全体的に 不老不死といっても未来世界観は少なめで、精神的な問題や不老不死を選ばない人たちのお話しが盛り込まれるなど哲学的な側面が色濃く出てくる作品。

ただ、鬼滅の刃で煉獄さんが
「老いることも 死ぬことも
 人間という 儚い生き物の美しさだ」
という名台詞があった2021年に公開するのは意味があったのかもしれない。

丸山さんはクレジット
清水宏香さんは画面出演しているのもポイント