婚約者との二人三脚で勝ち取りました。東京オリンピック・レスリング女子53キロ級で金メダルを勝ち取った三重県四日市市出身の向田真優(むかいだまゆ)選手。その原動力となったのは婚約者のサポートでした。

「最後の決勝戦のタックルは、皆さんの声援が後押ししてくれたというか、最後まであきらめずに攻め続けることができたのも、皆さんの声援のおかげだなと思います」(向田真優選手)

 8月17日、三重県庁を訪れた向田選手(24)。

 東京オリンピックでの活躍が、県民に明るい希望を与えたとして、県民栄誉賞を授与されました。

 三重県民栄誉賞の授与は、マラソンの野口みずきさんや、同じくレスリングの吉田沙保里さんらに続き5人目です。

「金メダルを獲るために日々練習をがんばってきたので、(金メダルを)もらってからはすごく実感がわいてきて、たくさんの人におめでとうと言ってもらえて、すごく幸せな気持ちになりました」

5歳で始めたレスリング 目標の人・吉田沙保里さんを「いつか超えたい」

 レスリング女子53キロ級で金メダルを獲得した三重県四日市市出身の向田真優選手。

「53キロ級は吉田沙保里さんだけじゃないということを証明したかったので、金メダルを獲ることができて、よかったです」

 53キロ級といえば、かつて吉田沙保里さんがオリンピック3連覇を成し遂げた階級。5歳からレスリングを始めた向田選手にとって、子どもの頃の宝物は、吉田さんとの写真でした。

「目標の人が吉田沙保里選手。自分がレスリングを始めてからずっと沙保里さんに憧れて、いつかオリンピックに出たい・金メダルを獲りたいという思いにさせてくれたのが沙保里さんだったので、いつか超えたいというのがありました」

 憧れの吉田さんの背中を追いかけ、大学は大府市にある至学館大学へ。絶対女王の胸を借り、世界のトップ選手にまで成長しました。

4点を追う決勝戦 救ったのは婚約者であるコーチの「声援」

 迎えた東京オリンピック…順調に勝ち進み、決勝の舞台にたった向田選手。

「53キロ級の代表として金メダルを獲らなきゃいけないと思っていたので…」

 試合は、向田選手が4点を追う苦しい展開。この状況を救ったのは、志土地翔大(しどち・しょうた)コーチでした。

「翔大コーチに『絶対行かないと後悔する』とアドバイスをもらって、そこからスイッチが入ったというか」

 実は志土地コーチは向田選手の婚約者。コロナ禍においても、二人三脚で練習を積み重ねてきました。

「真優、立て!立て!!」「さあ返すよ!返すよ!!」「いけるよ!いける!!」(決勝戦でセコンドからの志土地コーチの声)

 セコンドから響く志土地コーチの声。

「アドバイスというより声援に近くて、ずっとセコンドから大きい声を出してくれていたのですごく力になりました」(向田選手)

 その声援を力に変え、終盤同点に追いつくと…ラスト20秒でついに逆転に成功。ついに金メダルを掴みとりました。

「最後の最後まで諦めずに強い気持ちを持った人が頂点に立つんだなということを、このオリンピックを通して学びました この先も翔大コーチと2人で、オリンピックで金メダルという目標を掲げて、また次に向かって頑張っていきたい」

(8月17日 15:40~放送 メ~テレ『アップ!』より) .