『24時間テレビ』(日本テレビ系)内のドラマスペシャル『盲目のヨシノリ先生~光を失って心が見えた』に出演した女優・沢尻エリカ。沢尻と言えば、主演映画『クローズド・ノート』の舞台あいさつで、「別に…」と不機嫌な態度をとり、連日メディアに取り上げられては、「図に乗っている」「高飛車な女」「勘違い女優」と批判に晒され、直後の“号泣謝罪”でもそのイメージを覆すには至らなかった。だが、番宣として『行列のできる法律相談所』(同系)などに出演し自らの発言を“ネタ”にすることで視聴者も好印象を抱き、ドラマ自体も重厚な演技で賞賛の声が挙がった。そもそも「別に…」発言は、なぜあれほどまでのバッシングを受けなければならなかったのか? そして、今年30歳を迎えた沢尻エリカは、負のイメージから脱却できたのだろうか?
◆罪を犯したワケでもないのに日本中が“沢尻叩き” 「別に…」騒動とは何だったのか?

 沢尻は2005年、映画『パッチギ!』でセーラー服の美少女役が注目されて大ブレイク。その後もドラマ『1リットルの涙』(フジテレビ系)や『タイヨウのうた』(TBS系)など、“難病を抱えた美少女”役がハマる“清純派女優”だったわけだが、その演技力には定評があり、主演映画が5本も公開されるという、いかにも順風満帆な女優として成長していた。

 そんな沢尻の評価を一変させるのが、先述の「別に…」事件。2007年、主演映画『クローズド・ノート』の舞台あいさつに登場した沢尻は、金髪のウィッグにサングラスをのせ、南国柄の奇抜なワンピースに腕組みをして、司会者からの質問に始終、不機嫌そうに「別に…」「特にないです」と返すのみ。事務所の先輩・竹内結子のみならず、会場全体が凍りついた。その映像がワイドショーなどで繰り返し流されると、日本中が“沢尻叩き”に走り、メディアも“エリカ様”“女王様”などと囃し立て、沢尻はしだいに表舞台から遠ざかっていった。その翌年には、ハイパー・メディア・クリエイターの高城剛氏との結婚を発表したことも重なり(後に別居、2013年に離婚)、“沢尻=ぶっ飛んだ女優”というマイナスイメージがすっかり定着していくのである。

 「今年は、ベッキーさんとゲスの極み乙女。の川谷絵音さん、ファンキー加藤さんから三遊亭圓楽さんまで続く一連の不倫騒動。そして覚せい剤取締法違反で逮捕された元俳優の高知東生や、女性への強姦致傷の疑いで逮捕された俳優の高畑裕太容疑者なども、その“謝罪”が注目を浴びたわけですが、沢尻さんも直後に謝罪したまではよかったんですが、その後のアメリカの情報サイト『CNN Go』のインタビューで、『あれは間違いでした。前事務所が謝罪しなくてはいけないと言ったけれど、ずっと断っていたんです。絶対したくなかった。これが私のやり方なんだから、と。結局、私が折れて。でも間違ってた』と言ってしまった。この発言がさらに火に油を注ぐ結果となりました。でも、冷静に考えてみれば、沢尻さんは罪を犯したわけでもなく、不倫したわけじゃないんです(笑)。言い方は悪いですが、生意気盛りの若い女優が、ちょっとイキがっただけなんですね。それほど目くじらを立てて叩くようなことではないかもしれません」(エンタメ誌編集者)

◆「別に…」発言を笑いに昇華……バラエティでの“大人の対応”ぶりが高評価

 その後、5年ぶりの主演映画となる『ヘルタースケルター』では、過激な濡れ場にも挑戦し、“沢尻にしかできない”と評された破滅型のヒロインを演じて、興行的にも大ヒットした。しかし当時はプライベートで離婚問題も抱え、体調が思わしくなくPR活動を休止するなど、またしても…?と“お騒がせ女優”として再注目された。

 実際に沢尻は、24時間テレビの番宣で出演した『深イイ話&しゃべくり合体2時間スペシャル』(日本テレビ系)で、件の「別に…」発言について「何で、あんなこと言ってしまったの?」とくりぃむしちゅーの上田晋也に聞かれると、「あの頃はいろいろ重なって、おかしかった時期なんですよ。自分も子どもだったし…」と素直に明かしている。さらに、「もう30だから、だいぶ落ち着いてきた」「今は基本、家にいます。チワワが2匹いて、家でDVD観ながらご飯食べてます」などと話し、上田らにイジられて笑い転げる沢尻の姿は、毎日のようにクラブで遊んで歩いて泥酔していた10年前の沢尻からは、想像すらできなかっただろう。ネットなどでも、「沢尻エリカが丸くなったというか大人しくなった」「沢尻エリカが“別に”をネタにしだしたらもう最強じゃん」「“別に…” の自虐ネタで笑いを起こす 時が経ったな~」など、好反応のようである。

 「沢尻さんの場合、かつての生意気な印象があったからこそ、今の“大人の対応”ぶりが高評価につながっているんでしょう。もともと演技力は評価されていますし、沢尻さん自体30歳になってだいぶ大人になってきたこともわかった。これからは逆に視聴者も彼女に期待する部分が大きいんじゃないでしょうか」(前出の編集者)

 若くして日本中を敵に回したような猛バッシングに遭い、結婚・離婚など、様々な経験を積んできたことで自然に角もとれ、30歳になってようやくまた女優・沢尻エリカ本来の魅力が伝わるようになってきたということだろう。例の発言以降、高飛車なイメージが先行するのかクセのある役ばかりで、初期に演じていた純粋な女性の役を見なくなった。しかし、今回の『盲目のヨシノリ先生~光を失って心が見えた』の音楽教師役は人間味のあふれた、温かみのある役。同ドラマ、そして一連のバラエティ番組をきっかけに、かつての“エリカ様”からは脱却した彼女は、その天賦の演技力を発揮して新たなる“沢尻エリカ”像を築いていくことになるだろう。

引用元
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160826-00000361-oric-ent

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