あらすじ

その夜、京都の祇園は凍てつく寒さに包まれていた―――。

高級マンションの一室、閃光のような赤い殺意が走ると、ベランダから一人の女が落下した!

非常階段の欄干からブラさがるように死んだ女は、祇園の人気芸妓・菊華……。

 

遺体発見の通報を受け、臨場する京都中央署の刑事たち。

緊迫した空気が京都を包み込む―――。

そんな中、パトカーに乗り込む刑事にバナナとおにぎりを配っているオバちゃんがいる。

室町京子だ。京子は京都中央署総務課の警察官。犯人を逮捕したり、手錠をかけたりすることはないけれど、刑事たちを縁の下で支え、京都中央署の雑務全般を任されている存在だ。

 

菊華の死は死体に不審な点があることから、殺人事件として捜査が開始された。

捜査会議で刑事たちにお茶を出す京子は、菊華の写真を見て悲鳴をあげた。

実は先日、“京都を愛する一市民”と名乗る送り主から、署長の藤堂が謎の女性とキスをしている隠し撮り写真が京都中央署に送り付けられ、その謎の女性こそ菊華だったのだ!

まさか菊華とのスキャンダル発覚を恐れた署長が犯人!?

 

京都府警を揺るがしかねない疑惑をいち早くキャッチしたのは、ネガティブな性格が玉に傷の交通課・一条弥生、京都中央署の食堂のおばちゃんで元敏腕刑事の八坂美鈴だった。

京子は彼女たちと、「京都府警女子会」を結成―――京都の治安を守り、京都の女性を犯罪から守るために、さまざまイベントを企画しているのだ。

 

「動機はきっと痴情のもつれよ!」「署長、昔から手が早かったのよ、ココだけの話、実は私も…」と噂話をする女たち。そこに仲間のイベント会社社長・如月真弓も加わり、女子会はあっという間に“井戸端おしゃべり捜査会議”に早変わり!

 

だが京子に思いもよらぬ不幸がおとずれる。捜査会議のホワイトボードに張り出された容疑者リストを見て、我が目を疑った。そこに写っていたのは最愛の夫、大輔だったのだ!

大輔が犯人!?女子会メンバーの前で思わず涙をこぼす京子。

 

その後、菊華殺しの最重要容疑者が神社で殺害され、事件は世間を揺るがす連続殺人へと発展。

「おばちゃん視点」をフル回転させながら捜査をしていく京子たち女子会メンバーの前に、

予想もしない衝撃の真犯人が姿を現すのだった……。