加藤綾子が2代目社長と結婚、小川彩佳の例に見る「ハイスペすぎる夫」から漂う“予感”
「ヤバい女になりたくない」そうおっしゃるあなた。有名人の言動を鋭く分析するライターの仁科友里さんによれば、すべてのオンナはヤバいもの。問題は「よいヤバさ」か「悪いヤバさ」か。この連載では、仁科さんがさまざまなタイプの「ヤバい女=ヤバ女(ヤバジョ)」を分析していきます。
第58回 加藤綾子&小川彩佳 元フジテレビ・加藤綾子アナウンサー(以下、カトパン)が結婚を発表しました。お相手は“一般人”とされていますが、オリコン社主催の「好きな女性アナウンサーランキング」上位の常連、国民的女子アナのカトパンが、その辺の男性と結婚するわけがない。『週刊文春』(6月17日号)によると、男性は年商2000億円企業の2代目社長だそうです。 人気女子アナと2代目青年実業家という「いかにも」というか「お似合い」な二人、縁もゆかりもない私ですが、おめでとうを言わせていただきたいと思います。
結婚にはお金はあればあるほどいいのか?
さて、今回はあまり語られることのない「結婚とお金」について考えてみたいと思います。 結婚生活を送るうえで、お金は重要な要素と言えます。秋篠宮家のご長女、眞子さまの婚約内定を国民がいまいち祝福しきれいな理由の1つとして、小室圭氏の仕事が定まらないことを挙げる人もいるでしょう。安定した収入がないのにどうやって結婚生活を維持するのかという点について不安を感じているわけです。 本人にお金がないなら、親が出せばいいと思う人もいるかもしれません。しかし、そうとも言い切れないのではないでしょうか。 5月31日に離婚の決意を発表したグラビアタレント・熊田曜子ですが、『週刊文春』(6月3日号)によると、元夫は脱サラして起業したものの、事業が軌道にのっておらず、有名医師の親に頼る“親がかり”の生活をしていたそうです。熊田はテレビやSNSで義母の干渉についての愚痴をこぼしていましたが「お金を出したら口を出す」のが人情というもの。また、お金がなくなると心の余裕も失われてしまいます。いつもなら目につかないような相手のアラも見えて、夫婦仲が悪化することも「よくある話」です。 それでは、お金はあればあるほどいいのかというと、それもまた新たなリスクを呼び込んでしまうように思います。安定した結婚生活を送りたい、できれば添い遂げたいと思う女性にとっては、「稼ぎすぎる男性」「ハイスペすぎる男性」というのは結婚向きでないように感じるのです。
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小川アナの夫から感じる“ブランド主義”
ハイスペすぎる男性との結婚と言えば、『女性セブン』(6月17日号)が『news23』(TBS系)でキャスターを務める小川彩佳アナウンサーが離婚の決意を固めたと報じています。 小川アナの夫、豊田剛一郎氏と言えば、東大医学部卒で、医療ベンチャー「メドレー」代表(現在は辞任)の超ハイスペ男性。小川アナは才色兼備の女子アナですし、小川アナのお父さまは某有名私大で教授職を務める医学界の権威。小川アナにとって、お相手が医師であることは自分の生育環境に近いという意味で安心感があったことでしょう。一方の豊田氏にとっても、小川アナと結婚すれば自慢の女子アナ妻と、岳父を通じて医学界により広い人脈を得て、自分のビジネスに活かすことができるかもしれません。私は婚活中の女性に「結婚はメリットで決まる」とお話ししていますが、まさに双方にとってメリットありまくりの結婚だったと言えるのではないでしょうか。 しかし、今年の2月に『週刊文春』が豊田氏と一般女性Aさんとの不倫を報じます。Aさんは同月発売の『週刊ポスト』で、豊田氏との関係について“告白”しています。 簡単にまとめますと、Aさんは豊田氏と交際していたけれど、小川アナと結婚してしまった。しかし、二人の関係は豊田氏の結婚後も続き、彼女のマンションで週3の逢瀬を重ねていたとのこと。 善良な人は、小川アナと結婚してからも週3で会っていたなんて、本当はAさんのことが好きだったのではないかと感じる人もいるかもしれませんが、私は豊田氏の徹底したブランド主義のようなものを感じたのでした。妻は社会的栄誉をわかちあう存在なのでエリートの自分にふさわしいブランドな女性を、しかし、人に見せる必要のない、むしろ見せたくないつきあいは一般女性というふうに“使い分け”しているように感じたのです。 こう書くと豊田氏を責めているようですが、たとえ豊田氏が用途で女性を使い分けるブランド志向であったとしても、他人に責められる筋合いはありません。学歴などのブランドがあると、やりたいことに近づくチャンスが格段に増えることは間違いないでしょう。豊田氏はそれらを努力して自分の力で得てきたでしょうから、同等のものを相手に求めるのは至極当然のことです。 ブランドとは何かを定義すると、「わかりやすいもの」と言い換えることができるでしょう。たとえば、「すごくきれいな子がいる」といってもどの程度かわかりませんが、「『ミス日本』のファイナリストになった子」と言えば「プロの審査員に評価されるほど、きれいな人なんだ」と瞬時に伝わります。ですから、ビジネスでは、ブランドや数字を用いて説明することが多いわけですが、このブランド志向を家庭生活に持ちこむと、家庭円満からは遠くなるのではないでしょうか。家庭内の幸福というのは「わかりにくいもの」で、ブランドと対極にあるものだと思うからです。
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ブランド主義者が「地味な幸せ」をありがたく思えるのか
例えば、週末に夫が妻と子どものためにカレーを作ったとしましょう。シロウトの作るものですから、プロと比べれば味は劣るかもしれませんが、家族にとっては楽しい食卓になるはずです。しかし、こういう「地味な幸せ」の良さは、家庭内でしか通用せず、他人に証明しにくいものです。 それに対して、女子アナとデートした、予約の取れない有名レストランで食事をした、子どもを名門小学校に入れた、事業で過去最高の業績を記録して有力紙に取材されたなど、ブランドが絡む事柄は、多くの人から賞賛もしくは羨望されやすいものです。「稼ぎすぎる男性」「超ハイスペ男性」はブランド競争の覇者と言えると思いますが、子どものころからブランド的価値観を嫌というほど叩き込まれてきたであろう彼らが、結婚したからといってすぐに「地味な幸せ」をありがたく思えるのかというと、私には疑問です。 結婚はメリットがないと成立しませんから、男女とも社会的ブランドを持っている人が有利です。しかし、結婚生活にブランドは必要ありません。結婚前と結婚後で求められる資質が違うのが、結婚生活の面白さ、難しさではないでしょうか。 家庭に入っていっさい仕事はしないというのなら別ですか、女子アナが仕事を続けたいのなら、大富豪ではなくフツウの富豪、もしくは安定したサラリーマンをパートナーにするほうがいいと思います。 具体例を挙げると、カトパンの先輩にあたる高島彩アナウンサーは人気デュオのゆず・北川悠仁と結婚し、お子さんをもうけながら『サタデーステーション』(テレビ朝日系)のメインキャスターとして活躍しています。同じくフジテレビの先輩、ショーパンこと生野陽子アナウンサーは同期入社のアナウンサーと結婚しました。現在、第二子を妊娠中だそうですが、大企業の福利厚生をフルに使って、仕事を続けるのも賢明な方法でしょう。 家庭生活に喜びを見いだせないこと以外にも、ブランドを重んじる人には厄介な点があります。それはコレクターになりがちなことです。ブランド主義者界隈では、エルメスのバッグを1つ持っているより、10個持っている人のほうが断然価値があります。「私は10個も欲しくない。1つしか持っていないけれどこれが気に入っている」と心から思っていたとしても、ブランド主義者にとっては「手に入れられない、敗者の言い訳」でしかないでしょう。人より多くを持っていることが価値と思いがちなのが、ブランド主義というものなのですから。 カトパンのお相手は、2015年に『FRIDAY』でTBSの出水麻衣アナウンサーと路チュー写真を撮られています。独身時代の交際ですから、他人がとやかく言う必要はありませんが、人気女子アナ2人と交際や結婚をしたのが偶然なのか、それともコレクター精神ゆえのものなのか……。ちょっと嫌な予感がしないこともありませんが、どうぞ末永くお幸せに! <プロフィール> 仁科友里(にしな・ゆり) 1974年生まれ。会社員を経てフリーライターに。『サイゾーウーマン』『週刊SPA!』『GINGER』『steady.』などにタレント論、女子アナ批評を寄稿。また、自身のブログ、ツイッターで婚活に悩む男女の相談に応えている。2015年に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)を発表し、異例の女性向け婚活本として話題に。好きな言葉は「勝てば官軍、負ければ賊軍」