入谷鬼子母神門前のだや 匠の技奥義大全其の四
【串打ち】
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皆さま、平素から、入谷鬼子母神門前のだやにご愛顧賜りまして、厚く御礼申し上げます。
のだや 匠の技奥義大全 第四弾は「うなぎの串打ち」でございます。
うなぎ修行の格言では、「串打ち三年 割き八年 焼きは一生」と云われます。串打ちは「割き」の八年に対して「三年」ですから、比較的簡単と思われるかもしれませんが、思った以上に奥が深く、串打ちを極めるには相当な努力とセンスが必要となります。
このビデオを収録しながら江部当主に「ここまで教えてしまって良いのですか?」と聞いてみると、返ってきた答えは…「説明されて習得出来るのならば苦労はしないヨ」でした。
血糊が付着しないで綺麗に捌かれた活鰻を、竹串で(関東風でも金串のお店もございますが)素早く且つ丁寧に「串打ち」しなければなりません。当店が、他のうなぎ屋様と決定的に仕様が異なる点は、「本焼き」時の『万遍返し』と、今回ご説明します「串打ち」だと思います。
動画でも解説しておりますが、当店の串打ちの流儀は“厚みのある長方形”です。何故ならば、当店では殆ど「うな重」スタイルでのご提供になりますので、長方形の重箱に隙間無く収まる為には、「厚みのある長方形」が必要絶対条件となります。
元々が流線型の活鰻を「厚みのある長方形」にする為には、活鰻の縦(縁側)と横を詰める作業が必要となります。活鰻の縦を詰める作業をする店は稀にございますが、横を詰める作業は皆無と拝察致します。
動画解説のように、二番目以降の串を、3/4程挿入した後に、串1本分程親串方向に挿入すると云う技法こそ、「のだや・匠の技奥義」の真骨頂です。
通常は、技法が分って真似しても、上記の串打ち技法では、活鰻の形が綺麗な長方形にはなりません!真っ直ぐに竹串を挿入していないのですから、当然です。
しかし、「のだや流串打ち」では捩れたりする事も無く、綺麗な
「厚みのある長方形」に仕上がり、且つ、縦も横もしっかり詰まった締まりの良い出来栄えとなります。
「蒸し」と云う関東風の調理工程が在る中で、活鰻の“厚さ数ミリの中に真っ直ぐに編むように挿入し、且つ、縦も横もしっかり詰まった締まりの良い技法を施された串打ちで無ければ、数十分以上の蒸しの時間を耐えて、尚且つ、のだや流万遍返しの本焼きに耐える事は出来ないでしょう。
活鰻調理の入門編でありながら、仕上がりに影響のある串打ち作業こそ、のだやの匠の技奥義の要と云えるかも知れません。
最後になりましたが、当店ファン皆様の奮ってのご来店を、当店従業員を代表致しまして心よりお待ち申し上げます。
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