#Girls

吉永小百合さん原爆詩朗読 ピアノ坂本龍一さん



イギリスで吉永小百合さんが原爆詩の朗読会 坂本龍一さんがピアノ伴奏 オックスフォード大学

吉永さんの朗読は、必ずこの詩から始まる

 『序』    峠三吉
ちちをかえせ ははをかえせ
としよりをかえせ
こどもをかえせ

わたしをかえせ わたしにつながる
にんげんをかえせ

にんげんの にんげんのよのあるかぎり
くずれぬへいわを
へいわをかえせ

 『慟哭』    大平数子
しょうじ(昇二) よう
やすし(泰) よう
しょうじ よう
やすし よう
しょうじ よおう
やすし よおう
しょうじ よおう
やすし よおう
しょうじい
しょうじい
しょうじいい
http://bit.ly/u7N3HT (エピソード)

 『あい』
逝ったひとはかえってこれないから
逝ったひとは叫ぶことが出来ないから
逝ったひとはなげくすべがないから

生きのこったひとはどうすればいい
生きのこったひとは何がわかればいい
生きのこったひとは悲しみをちぎってあるく
生きのこったひとは思い出を凍らせて歩く
生きのこったひとは固定した面(マスク)を抱いて歩く

風さん 風さん 風さん

あなたが世界中をくまなく吹いて どこかで私のこどもをみかけたら
私が 待って 待って 待ちくたびれて
それでも望みを捨てないで まだ待っているからと
あの子に伝えてくださいな

お月さん お月さん お月さん

あなたは 365日そうして歩いておいでだから
あなたはなんでも見えるでしょうから
私のこどもも 道が多くて帰れないと泣いていたなら
迷わずまっすぐ帰ったらいいと
おしえてやってくださいな

雁さん 雁さん 雁さん

あなたが帰っていく北の国に
もしも私のこどもが寒さに震えていたら
私がおまえを探していたと
こどもに言ってくださいな
月のいい晩には 笛を吹いて待っていると
あの子に告げてくださいな
雨の降る晩には あかげたを鳴らし
帰ってくる道を歩いていると
あの子に 告げてくださいな

つばめさん つばめさん つばめさん

あなたがいた南の国に
もしや私のこどもが帰るのを
わすれて遊んでいやしないでしょうか
あの子は もの覚えのいい子だから
きっと私を思い出してくれるでしょうけれども
南の国は あったかいから 南の国は
いっぱいいっぱい花が匂うているから
花の香りに むせて私のこどもが
帰るのを忘れているのかもしれないのです

もしあなたが 私のこどもをみかけたら
私が 待っているからと あの子に告げてくださいな

 『とてつもなく ながいよる』
とてつもなく みじかいひる
とてつもなく ながいよると
とてつもなく ながいよると
とてつもなく ながいよると
とてつもなく ながいよると

こどもたち あなたは知っているでしょう
正義ということを

正義とは 剣をぬくことではないことを
正義とは 愛だということを
正義とは 母さんを悲しまさないことだということも

みんな 母さんの子だから
こどもたち あなたは知っているでしょう?

<坂本龍一のメッセージ>
福島で起きた最悪の事故は、原子力を平和的に使うという
幻想から私たちを目覚めさせました
武器であろうと電力であろうと
核と人類は共存できないと世界に証明することが
次に必要なことなのです

<和合亮一の詩>
見えない姿の 子どもたちが 悲しい心の 子どもたちが
この土手に来て 鯉のぼりを 見あげている
津波が 津波が 来たんだね
つらかったね こわかったね 子どもたち