気になるのはお隣の韓国です。過去最悪の状況が続いています。
韓国 キム・ブギョム首相
「政府が全力を尽くし国民が防疫に協力しなければ総体的な危機に陥りかねない緊迫した状況です」
きょう発表された韓国の新規感染者数は6977人。重症者は856人。死者は80人と1日あたりの過去最多を更新しました。
高麗大学(感染内科) キム・ウジュ教授
「重症者病床が足りないため、重症で自宅待機している人が1258人、重症化しても入院できないことによって死者が増えている状況です」
特に人口が集中するソウルは深刻です。
ソウル在住の櫻井さん
「みんな1回は(コロナに)かかるんじゃないかと大げさかもしれないけど話したりするので、今の状況だと/初めて病院に入れずに亡くなったとかもニュースでみたのでだいぶ不安はあります」
ここまではデルタ株の話ですが、オミクロン株の感染も広がりつつあります。これまでに75人の感染が確認されました。
2つの変異株の同時流行に直面する病院が現状を伝えるため、私たちの取材にこたえてくれました。
仁川医療院 チョ・スンヨン院長
「ここがオミクロン患者たちが治療を受けている隔離病床の病棟です。病床の95%は埋まっています」
ソウルに隣接するインチョンにあるコロナ専門病院。現在、135人のデルタ株の患者と、10人のオミクロン株患者が入院し、満床の状態が続いています。
仁川医療院 チョ・スンヨン院長
「この部屋とこの部屋がオミクロン株患者の部屋です。デルタ株のコロナ患者とは部屋を分けて治療にあたっています」
重症化リスクが高いデルタ株と、変異が多いオミクロン株を交差させないように、細心の注意を払っています。
仁川医療院 チョ・スンヨン院長
「医療スタッフもデルタ株患者とオミクロン株患者を一緒に扱わないように注意しています」
病院ではこれまで12人のオミクロン患者を診てきましたが、どんな症状なのでしょうか?
仁川医療院 チョ・スンヨン院長
「(オミクロン株患者の)ほとんどが若い人で、みな症状はかなり軽く、のどの痛みや微熱、筋肉痛が主な症状です。激しい呼吸困難があった方はいません」
しかし懸念もあります。
仁川医療院 チョ・スンヨン院長
「高齢患者がいなかったので、70代以上の場合はどうなるのかがわかりません」
今分かっているのは、治療した多くの若者が軽症だったということで、高齢者が感染した場合どうなるかはまだわからないといいます。
仁川医療院 チョ・スンヨン院長
「デルタ株に比べ(オミクロン株は)症状が弱いという報告が世界から出ていますが、私もそのように感じます。 ある研究者は「クリスマスプレゼントだ」とまで言っていました。弱くなったウィルスが優勢になれば人類にとって喜ばしいことだとも思いますが、今はまだオミクロン株がどのようなものか分からないので、万全の注意を傾けるべきだと思います。
感染拡大に歯止めがかからない韓国では、今週から再び、規制を一部強化しはじめました。
ソウル在住の櫻井さん
「このような感じでQRコードが表示されるんですけど、ここにワクチンの完了が出ているのでQRコードを提示して、手の消毒をして入るっていう流れは習慣化してきている感じです」
ワクチン接種歴、または「陰性」を証明する“防疫パス”の提示義務が、今週から飲食店や映画館、学習塾などにも拡大。飲食などでの集まりは最大6人までに制限されました。PCR検査場は御覧のような大行列です。さらに来週月曜から、 違反者には罰則が科されます
一方で、いまだに飲食店の営業時間の制限や外出制限などの対策はとられておらず、“規制強化の甘さ”も指摘されています。
高麗大学(感染内科) キム・ウジュ教授
「少なくとも営業時間の制限は必要です。私的な集まりも2人か4人くらいに下げるべきで、企業も在宅勤務に切り替えるなど、密集を避けるための大胆な措置が必要です。いまのような緩い規制では解決できないでしょう」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp