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河瀬直美 さん 監督賞 喜びの声 【報知映画賞】

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【報知映画賞】河瀬直美監督、国内主要映画賞初受賞「特別養子縁組」テーマ、自らの境遇重ねる…監督賞

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 河瀬直美 (かわせなおみ)1969年5月30日、奈良市生まれ。51歳。市立一条高時代はバスケ部で国体出場。大阪写真専門学校(現ビジュアルアーツ専門学校)卒業。カンヌ国際映画祭は97年「萌の朱雀」でカメラドール、07年「殯(もがり)の森」でグランプリを受賞。東京五輪公式映画監督で、大阪・関西万博のプロデューサー、シニアアドバイザーも務める。

 朝が来る 辻村深月氏の同名小説が原作。特別養子縁組で男の子を迎え入れた夫婦の元に、生みの母親を名乗る女から「子どもを返してほしい」と電話が来る。夫婦は話し合いに応じるが、訪ねて来た女からは、6年前に養子を受け渡した時の面影は消えていた。

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 助演女優賞も18年新人賞の蒔田彩珠(まきた・あじゅ、18)が満票で受賞した。新人賞から2年での俳優賞は史上最速、18歳での2冠達成は史上最年少となった。対象作「朝が来る」では河瀬直美監督(51)も監督賞を受賞した。

 意外にも日本の主要映画賞での監督賞は初めて。河瀬監督は「重いね」と言いつつ、ブロンズ像を渡されるとパクッ! ライオンを食べて見せるしぐさであふれる喜びを表した。こんなところにも、独特の感性が表れる。

 愛情、血縁、命の誕生。受賞作「朝が来る」は1人の男児を軸に特別養子縁組について深く考えさせる作品だ。監督自身、早くに両親と離ればなれになり、養母に育てられた。「この境遇での抜き差しならない感情がなければ、映画監督になっていなかったかも」。自分は本当に生まれてきてよかったのか。河瀬氏にとって、映画を撮ることは自分の心の深淵と対じすることを意味する。「ずっと家族を扱っていることもそこに起因しているでしょう」

 史上最年少27歳で仏カンヌ国際映画祭のカメラドール(新人監督賞)を受賞。“カンヌの申し子”といわれながら、大衆性を好む傾向の強い日本の映画賞とは距離を持って歩んできた。「カンヌと報知で喜びの比較はできない。でも本当にうれしい。選んで評価して認めてもらえたことに。カンヌの隣に(ブロンズ像を)置こうかな」

 今後しばらくは東京オリンピック公式映画監督の大仕事に専念する。重圧で苦しくなることはないのか。「プレッシャーは考えないようにしています。ネット情報もほとんど見ません。惑わされたら時間がもったいないので。自分の見えるものだけをしっかり見て心を割いていきたい」。生まれ育った奈良を拠点にしていることも、身心のバランスを保つ上で不可欠だという。「以前、東京に1週間いてじんましんが。五輪期間中はこれが一番、心配かも」と言って苦笑した。

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