「神戸三宮にやってきました。新型コロナの検査に特化したクリニックがあるそうです」

今年9月に開業した「神戸アイジスクリニック」。
新型コロナやインフルエンザなど感染症対策に特化しています。
医師の大類隼人さんは、感染症対策が専門です。

「本当は陽性を診断して治療に迅速に回って頂くのが大事。感染拡大予防が大事だが今の日本の社会では陰性になる事の意味が大きくついて回る」

新型コロナの検査には、費用負担がなく、熱などの症状が出た濃厚接触者が対象の行政検査の他に、保険診療、そして本人の希望で受ける自費検査があります。しかし自費検査のニーズはあっても対応する施設はまだ多くないのが現状です。

神戸市の行政検査も担当する大類さん。2012年に神戸でNPOを立ち上げ、アフリカなど途上国の医療支援を続けてきました。
しかし今年の春のバングラデシュへの渡航はコロナ禍で中止に。それならばお世話になった神戸で恩返しがしたいとコロナ検査ができるクリニックを開業しました。

「医療支援の活動も地元の人たちに支えて頂いて10年継続出来ている。神戸という街は私の人生の中では大きなキーワード。ここでやりたいと」

「扉は触らなくてもいいようになっています。受付は小窓があるだけ、接触は必要最小限。隣に検査室です」
検査室には強力な換気装置がついているほか、部屋ごとに換気装置が独立しています。

この日検査に訪れたバーテンダーの下村脩さんです。
「2回目。一瞬なので痛いと感じない」
「最近、感染者が増えている中、バーなので来てもらっているお客さんの顔が日々浮かぶ。そういう人たちに安心して来てもらえるように」

検査は鼻の奥や唾液から検体を採取。PCR検査と同じ核酸増幅法で、より早く結果が分かる「LAMP(ランプ)法」で調べます。
診察時間は最大15分。結果は当日、電話やパソコンで知る事ができます。希望者には「検査済み」ステッカーやカードを配布します。検査は基本的に自由診療で2.2万円です。

陰性だった下村さんが働く神戸市内のバー「アクソン」。
アクリル板や消毒液など、出来る限りの対策を行っています。
「色々なお店が色々なやり方でやっている。対策を考えてないお店は絶対にない」

検査は完全予約制。最近は数が増え、多い日は60~70人が検査を受けるといいます。
「第3波と言われる中で、本当に症状があって診断ができず苦しんでいる方がいらっしゃるし、実際そういう方に的確な時期に検査をして陽性と出て周りの方々をパパっと捉えることが出来た」

大類さんの元をある男性が訪ねてきました。
友人でミュージシャンの松田礼央さんです。
松田さんの主催するライブイベントに参加した人に対し、アフターフォローとして、コロナ検査の費用の一部を割引するサービスを大類さんと行おうと考え、打ち合わせに。
実施に向け2人とも手応えを得たようです。

「文化的な活動を維持しつつ、皆さんの安全を守れるようなイベントづくりが出来たらなと、皆で工夫しながら実施しているのが現状」

「またこういう場所・検査機関もご存じない方もいらっしゃると思うので、イベントに参加する事で新しい情報をお届けできる場所になれば」
「ウイルスはどうしてもうつってしまうものであるなら、人が集まるという事はどうしてもそういう事が起こりうる。それはライブだけではなく電車でも十分起こりうる」

「どこに行けばいいんだろうと悩んでいるうち悪くなってしまうような方を、すぐにここに行こうと思ってもらえるように変える事ができれば」

検査機会の提供で、新型コロナと上手に付き合う。
神戸を愛する医師の取り組みが、これからも続きます。

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