望み (雫井脩介の小説), by Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki?curid=4140153 / CC BY SA 3.0

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『望み』(のぞみ)は、雫井脩介の長編小説。
電子小説誌『文芸カドカワ』(KADOKAWA)2016年1月号から7月号に連載、2016年9月5日にKADOKAWAから刊行された。
思春期の息子の遊び仲間が遺体で発見され、事件に関わり行方不明となった息子を巡って「加害者か、それとも被害者か」と葛藤する夫妻の心理を描き、親子関係や家族の形に焦点を当てた社会派ミステリー。
第七回山田風太郎賞候補作、「週刊文春ミステリーベスト10」2016年国内部門第9位。
なお、2019年4月24日に文庫化された。
堤幸彦監督により堤真一主演、石田ゆり子共演で映画化され2020年10月9日に公開された。
雫井の以前の作品に家族が多く登場することから、次は「家族を扱ったもので」との編集担当者からの要望を受けて、それまでストックしていたアイデアの中から本作を構想。
少年犯罪に見られるグループ内のトラブルから殺人事件へ発展するケースで、事件報道を見てもグループ内の人間関係や事件に至る経緯が漠然として捉えにくいことから、「事件の関係家族、特に親は、どういう心境で報に接しているのだろう」「自分の子供が被害者なのか加害者なのかも分からなかったりするかもしれない」と、そこを掘り下げることで意外に深いテーマとなるかもしれないとして本作執筆に至った。
埼玉県戸沢市にて建築デザインの仕事をしている石川一登と校正の仕事をしている妻・貴代美は、長男の規士と長女の雅とともに何不自由なく幸せな生活を送っていた。
ただ、息子の規士は高校生になってからというもの無断外泊が頻繁となっていたが、一登と貴代美は特に注意を払ってはいなかった。
夏休みを迎えたある週末、いつものように無断外泊をしていた規士が翌日になっても自宅に戻らない。
連絡をしようにもまったくその手段が通じない状況になった。
そんな最中に、息子の友人が複数人の何者かに殺害されたとのニュースが流れ、一登と貴代美は不安を隠そうとしない。
逃走している2人の中に息子がいるとすれば、果たして息子は殺人者なのか、それとももう1人の被害者なのか。
息子の無実を信じたい父の一登と、たとえ殺人者であろうとも生きて罪を償ってほしいと願う母の貴代美の思いが交錯する。
堤幸彦監督、堤真一主演および石田ゆり子共演で実写映画化され、2020年10月9日に公開された。
初日舞台挨拶がTOHOシネマズ六本木ヒルズにて実施された。
原作からの変更点として、季節を夏から冬に移しており、作中では冬休みおよび年末年始の間で物語が展開される。