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女優ののん(能年玲奈から改名)さんが2月5日、東京都内で行われた「第90回キネマ旬報ベスト・テン」(キネマ旬報社主催)の表彰式にサプライズで登場。声優として初主演した劇場版アニメ「この世界の片隅に」の片渕須直監督の祝福に駆け付けたのんさんは、会場の観客から大きな拍手で迎えられ、「形に残るもので評価していただける。私も自分のことのようにうれしいです」と喜び、司会からうながされると、最後に主人公すずさんの声色で「ありがとう、この世界の片隅に、ウチをみつけてくれて」と感謝の言葉を語った。
「この世界の片隅に」は、アニメでは1988年の「となりのトトロ」以来28年ぶりに日本映画ベスト・テン第1位を受賞。片渕監督は日本映画監督賞と読者選出日本映画監督賞も受賞した。のんさんは「監督に、すずさんは面白い人でユーモアある女の子なので、そこを意識してくださいと(言われた)。私も原作を読んでいて、すずさんのとぼけた面白さやパワフルなところが、可愛くて大好きなのでそこを意識しました」と語った。
映画は、「漫画アクション」(双葉社)で連載され、2009年に「文化庁メディア芸術祭」のマンガ部門優秀賞を受賞したこうの史代さんのマンガが原作。戦時中、広島・呉に嫁いだ18歳のすずの生活が、戦争の激化によって崩れていく様子が描かれ、劇場版でのんさんは、主人公のすずの声を務め、話題を呼んだ。
「キネマ旬報ベスト・テン」は、米アカデミー賞より1回多いという長い歴史を誇る映画賞で、今回は2016年公開の映画を対象に同誌の選考委員が選出。この日の表彰式には主演女優賞の宮沢りえさん、主演男優賞の柳楽優弥さんらが出席した。