来年の早い時期にロシア軍が再び首都キーウに侵攻するのではないかという見方が広がっているようです。

板倉)
ウクライナのレズニコフ国防大臣はロシアは動員兵15万人の訓練が終わる来年2月にもキーウ侵攻を計画しているというふうに話しています。なぜ1度失敗したキーウ侵攻を再び行う可能性があるのか。筑波大学の東野教授に聞きました。東野教授によりますと、今ウクライナ、ロシア両軍は南部や東部で激しい戦闘を繰り広げています。仮にロシアがキーウに侵攻するとなるとウクライナ軍は兵力をキーウに集中させる必要があるので、そうなると南部や東部が手薄になりロシアとしては攻勢に出られるということなんです。さらに、キーウ陥落で新しい成果を示すことができて、その先にはゼレンスキー大統領の排除の可能性も捨てていないのではないかということなんです。

高島)
再びキーウ侵攻もということですが、柳澤さんはどこに注目されてますか?

柳澤)
アメリカの本音が気になります。アメリカはゼレンスキー大統領をホワイトハウスに招いて、ウクライナが欲しがっていたパトリオット・地対空ミサイルシステムの提供を約束しました。しかし、その数が1基だけ。その胸の内としては、ロシアとの直接対決はどうしても避けたいというアメリカが、そろそろ”出口”を探し始めたのではないかなと。戦争が長期化しているので、そういう中で、どうこの事態を打開するか。出口を見つけるのかなんですが、アメリカとしてはゼレンスキー大統領に「この辺で手を打て」とは口が裂けても言えない。しかし、首脳会談では「本当のところはどうなんだ。支援はするが、ゼレンスキー大統領はどう考えているんだ」と、アメリカは探りを入れたかったんだと思います。
戦争は、始めるよりも終わること。つまり出口を見つけるのが至難の業といわれています。これから水面下の動きを注意深く見ていきたいと思います。

サタデーステーション 12月24日OA
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