◆今回の俳句
00:00 綿菓子の甘い風吹く夏の夜
01:37 たんぽぽのわたと飛び乗る銀座線
03:21 ががんぼのゆくえ目で追う女子トイレ
04:18 別れ蚊を払う一人の台所
05:28 冬隣る振込み画面の静電気
06:26 終電を待つ二の腕に蚊の名残
07:31 オリオンと重機の湯気と土煙
08:38 悴める手のひらを刺す乗車券
09:45 夏近し恐竜図鑑踏むチワワ
11:01 座席五度倒しアイスの蓋剥がす
12:49 春日向カーテンの到着は明日
#皆藤愛子

◆NHK俳句「たんぽぽ」の動画はこちら!

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#プレバト #俳句 #季語

◆一部文字起こし
皆藤愛子さんの俳句を紹介します

綿菓子の甘い風吹く夏の夜
こちらは2017年7月20日お題「夏祭り」で詠まれた皆藤愛子さんプレバト初登場の時の俳句です
季語は三夏の季語「夏の夜」ですね
三夏とは夏全般で使える季語の(区分の)ことです
句意(俳句の意味)は幼少期夏祭りの匂いが好きだったそうなんですね
たこ焼きやお好み焼きなどのしょっぱい匂いから人形焼やチョコバナナの甘い香りまである訳ですが中でも綿菓子のあのザラメの焼ける匂いが好きだったそうでそのことを詠んだ俳句だそうです
夏井先生は風があれば吹くっていうのはいらないよねということを指摘します 夏井節ですよね
また季語としての夏の夜を表すものっていうのは夏のヨルではなくて夏のヨですので夏井先生は夏の夜じゃダメだよみたいなことは言わなかったんですがこんな風に添削されていました
夏の夜の帰路綿菓子の甘い風
こんな風にさらっと俳句の世界に戻すような添削もされてるんですよね
夏井先生のすごさが垣間見えた瞬間だったんですが皆藤愛子さん初出場で才能アリ1位70点となります
デビュー作でいきなり1位を獲得するんですね
今回はそんな皆藤愛子さんのプレバトでの俳句集を紹介していきます

たんぽぽのわたと飛び乗る銀座線
季語は3月頃の季語「たんぽぽ」です
俳句の意味は銀座線に飛び乗るとコートにたんぽぽの綿毛が付いていたということですね
銀座線のイメージカラーが黄色だそうでそことたんぽぽの色というのも対比されているということでした
夏井先生はありがちな発想なんだけれどもオリジナリティがあって映像化できてるっていう風に言うんですね
夏井先生今年のNHK俳句で題「たんぽぽ」の回をやられてるんですがそこで類想類句ー似たような発想の俳句の要素として凡人ワードという呼び方でいろんな人が使ってしまう言葉っていうのを紹介していたんですよ
その中にこの俳句でも使われている「わた」と「飛ぶ」なんていうのは入ってました
凡人ワード2つも使ってるわけなんですけれども
そこが夏井先生の言う「ありがちな発想」っていうところだと思います
ただしオリジナリティがあるっていうんですね
その一要素として複合動詞の効果を言われていました
たんぽぽのわたと「飛び乗る」としています
綿が飛んでるだけじゃなくって飛び乗るとすることでどんな場面かがより詳細に想像されますし生き生きとした効果を生むといった趣旨のことをおっしゃっていました
また銀座線の固有名詞によって都会や地下鉄や乗車という情報が分かって読者に一定の読みをさせますよね
この俳句で才能アリ1位72点となり初回から2連続で才能ありとされるわけです

ががんぼのゆくえ目で追う女子トイレ
季語は夏全般で使える季語「ががんぼ」です
ががんぼっていうのは大蚊という漢字を書くんですが血を吸わない虫ですね
俳句の意味は学校の女子トイレががんぼを見つけた 慎重に目で追い距離を取って移動したという趣旨の説明をしていました
夏井先生はががんぼの発想がリアルでゆくえとすることで動きが分かって目で追うとすることで動けないという記述をしているという風におっしゃっていました
最後止めが女子トイレでどんな場面っていうのかがばしっと伝わるっていうことですね
こちらプレバトで詠んだ5つ目の俳句なんですが「言葉が必要な型で必要な場所にある」という特待生の最低条件を満たしたと認められてこの俳句で特待生昇格となります

別れ蚊を払う一人の台所
季語は秋全般で使える季語「別れ蚊」です
秋の蚊の子季語で夏の蚊と比べてどこか弱々しいイメージがあるというそういう蚊のことですね
俳句の意味は秋の蚊を台所で一人で払った時に寂しさを感じたとしました
独り身であるということに気付かされたということかと思うんですけれども夏井先生はこんなことをおっしゃっていました
夏の蚊だったらパチンと「叩く」んだけれども別れ蚊 秋の蚊っていうのは「払う」となると
確かにその蚊の特性によって中心人物の動きっていうのは変わってくるなと勉強させられたシーンですね
この俳句技術点は高いんだけれどもちょっと独自性の部分で損をしているということで金秋戦の予選で決勝進出ならずということになってしまいます
私がなぜ取り上げたのかというとひとつ前のががんぼ そして今回の別れ蚊なんですが 皆藤愛子さんって蚊を詠まれることが多いなと思いました
またこの後にもひとつ蚊の俳句が出てきますのでその差というのも見てみると面白いかもしれません

冬隣る振込画面の静電気
季語は10月頃の季語「冬隣る」です
もう冬がすぐそこっていう意味の季語ですね
俳句の意味は冬が近いな 振込画面で静電気を感じたとしました
お題が「ATMの行列」というところが(この俳句の)すごいポイントなんですけれどもFUJIWARAフジモンさんは静電気というところに目を付けたのが完璧だっていう風に言うんですね
この皆藤愛子さん結構千原ジュニアさんとかFUJIWARAフジモンさんとかに今回は昇格しただろうってもう断言されることが多いんですね
夏井先生は映像を持たない季語でこの俳句が始まるんだけれどもそこから下五(最後の5音)で皮膚の感覚に着地するこの表現力っていうのを評価していました
この俳句で特待生4級へ1ランク昇格することとなりました

終電を待つ二の腕に蚊の名残
季語は秋全般で使える季語「蚊の名残り」です でました「蚊」ですね
俳句の意味は秋の夜終電を待つ二の腕に蚊に刺された跡があったとさせていただきました
この俳句はカメラワークがいいですよね
まず終電を待っていて一人の人の二の腕にズームインして最後蚊に刺されの跡にさらにアップするっていうような構成になっています
また夏井先生がおっしゃってたんですが名残という言葉が非常に印象を強めさせる言葉なので普通の人が詠むと名残だけ浮いてしまうっていう風に言うんですね
それがこの俳句では調和しているという風におっしゃっていました
終わるとか待つとかそういった他の印象の強い言葉を置くことで蚊の名残というのが浮かずに俳句全体のバランスを保ってるといった趣旨のことをおっしゃっていましたね
この俳句で特待生2級へ昇格することとなります

オリオンと重機の湯気と土煙
季語は冬全般で使える季語「オリオン」です
句意(俳句の意味)は冬 重機には湯気が立ち土煙が舞っている
見上げるとオリオン座が見えたとさせていただきました
夏井先生は助詞で映像化ができているという風におっしゃってましたね
この「と」「の」「と」と3つ助詞で結ばれているんですがこれが名詞の間に効果的に置かれることでオリオン座 重機の湯気 土煙というのをイメージしやすくしているということをおっしゃっていました
またオリオン座と重機なんていう自然物と人工物を対比していたり 湯気と土煙 点と粒のようなことも対比されていたりあとオリオン座の見える空の色重機の色土煙の色なども想像させるそんな映像化ができた俳句だということです
この俳句で特待生1級に昇格することになりました

悴める手のひらを刺す乗車券
季語は1月頃の季語「悴む」ですね
句意(俳句の意味)は手の悴む冬の寒いホームにいる 切符の角が手のひらを刺したとしました
千原ジュニアさんはもうこれを見た時に「間違いなく昇格」と断言してましたね
夏井先生は「刺すの是非」ということで解説を進められていました
まず悴めると寒い皮膚の感触その季語から始める訳です
そして手のひら辺りまではありきたりな俳句なんだけれども「刺す」と表現される訳です
そして下五(最後の5音)で乗車券と答え合わせがされるんですが最初の寒い皮膚の感覚から刺される皮膚の感覚へと表現が移っていって乗車券と着地するこの俳句を評価していました
乗車券も「券の角」とか説明したくなるんだけれども「刺す」という表現に任せて乗車券でいいんですね
こちらの俳句で特待生から名人初段へ1ランク昇格することとなりました

夏近し恐竜図鑑踏むチワワ
季語は4月頃の季語「夏近し」です
もう夏はすぐそこっていうような春の季語ですね
俳句の意味は愛犬のチワワを飼ってるらしいんですけれどもそのチワワが恐竜図鑑を踏んでいたと ああ夏も近いなということです
恐竜に対するなんの尊敬もないなんの敬意もないそこに面白みを感じたといったことを仰っていました
ここではいろんな対比がされていると思います
まず恐竜図鑑動かないですよね
そこをチワワはワンワン動いてるわけですけど 静と動の対比
また恐竜というのは大きいわけですしかしチワワは犬の中でも小さい 大と小の対比がされています
またこれは私が考えたんですが恐竜は昔チワワはまさに今愛でている犬ということで時代の対比もなされているのかなと思いました
千原ジュニアさんも「恐竜とチワワの対比が計算されている」と特に対比については皆さん評価していたポイントになります
この俳句で名人2段へ1ランク昇格することとなりました

座席五度倒しアイスの蓋剥がす
季語は三夏の季語「アイスクリーム」です
句意(俳句の意味)は新幹線に乗る夏の日 座席を少し倒して楽しみだったアイスの蓋を剥がすとしました
夏井先生は「五度」「剥がす」の是非ということで解説を始められました
結果的にはその臨場感が良いということになるんですが座席五度倒しもう謙虚ですよね
そしてアイスの蓋剥がすと繋がる訳です
臨場感・リアリティそういったものが出ている表現になるかなと思います
一転アイスだけだと季語にならないんですね
今回はアイスクリームのことなんですけれども他にアイスコーヒーとかアイスを使った季語もあるんですがここを夏井先生はとても丁寧にフォローしてましたね
この句の場合は省略したアイスの雑な言い方っていうのと剥がすっていう少し乱暴な感じっていうのがバランスが取れているっていう風におっしゃってました
またアイスじゃなくて氷菓とすると音数を変更せずに入れられるんだけれども「氷菓の蓋」って言われた時に印象が変わっちゃうよねっていうことで今回はアイスクリームだと分かるこの表現の方法を優先したということです
これは夏井先生ものすごく俳人として俳句をフォローしてるシーンだなと思って一番最初の夏の夜(よる)を夏の夜(よ)にふわっと替えたフォローとあわせてこんな風にして芸能人の方の俳句のレベルアップをさせてるんだなと思わされたシーンでしたね
この俳句で皆藤愛子さんは名人3段へと1ランク昇格することになります

春日向カーテンの到着は明日
季語は春全般で使える季語「春日向」です
俳句の意味は引越し日にカーテンが間に合わなかった 窓からは春を感じるといった場面を詠まれた俳句だそうです
非常に共感できますよね
お題「引越し」で詠まれたんですが引越しあるあるだと思います
また春日向 春の光は言葉からイメージできるんですがそこから吹き込む風でしたり引越し後の生活に込める期待感のようなものも表現されている気がして簡単な言葉でさまざまなことを想像させる俳句でした