15,16世紀はスペイン、ポルトガルが日の沈まぬ国と呼ばれ、17世紀はオランダが黄金時代を迎え、18,19世紀は大英帝国が君臨し、そして20世紀はアメリカが超大国として覇権を握りました。
21世紀はスタートこそアメリカですが、これからどの国かが台頭してくることでしょう。
その世紀に生きた人たちは圧倒的なパワーをもって君臨するこれらの国々に、この権勢は永遠に続くように思ったでしょうが、100年~200年ももたなかったことは、現代に生きる私たちはよく知っています。
IT業界においても、20年前はマイクロソフトの覇権が永遠に続くように思われていましたし、数年前ならグーグルは世界を支配するとさえ考えられていました。
しかし今やそんな主張をする人は一人もありません。
「フェイスブックが個人データをすべて手中に収め世界を支配する」という論調も、数年後には「もはやジョーク」となるのでしょう。
長期間に渡ってその業界を牛耳ることはかないません。
このように時代を俯瞰すると、平家物語の冒頭の一節を想起させられます。
仏教思想がテーマになっている古典文学です。
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祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり、
沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。
驕れる者久しからず、ただ春の夜の夢の如し。
猛き人もつひには滅びぬ、ひとへに風の前の塵に同じ。
遠く異朝をとぶらふに、秦の趙高、漢の王莽、梁の朱い、唐の禄山
これらは皆旧主先皇の政にも従はず、
楽しみを極め、諌めをも思ひ入れず、
天下の乱れん事をも悟らずして、民間の憂ふる所を知らざりしかば、
久しからずして亡じにし者どもなり。
近く本朝を窺ふに、
承平の将門、天慶の純友、康和の義親、平治の信頼、
これらは驕れる事も猛き心も、皆とりどりなりしかども、
間近くは、六波羅の入道前の太政大臣平の朝臣清盛公と申しし人の有様、伝へ承るこそ、心も言も及ばれぬ。
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【全ては移ろい変わる】
【盛んなる者も必ず滅びる】
この仏教の解き明かす真理を、平家一門の栄枯盛衰を切り口に示そうとしたのが「平家物語」です。
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(自己紹介)
1988年早稲田大学を中退し、仏教講師の道を目指す。
浄土真宗親鸞会で仏教講師の資格を取得、全国各地で公開講座を始める。
2010年からメールマガジンをはじめ、読者12000人の仏教最大級のメルマガ執筆
2014年からは全国をつなぐオンライン講座の動画レクチャーでも活動中。
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