自民党は派閥裏金事件での逆風で、党要職や閣僚経験者らが各地で敗れた。旧安倍派幹部で党員資格停止処分となり、非公認で出馬した東京11区の下村博文元文部科学相、戒告処分で党公認ながら比例重複が認められなかった東京7区の丸川珠代元五輪相らの落選が次々に決まった。一方、非公認だった東京24区の萩生田光一元政調会長、東京17区の平沢勝栄元復興相は当選した。

◆「ヤンキー先生」こと義家弘介氏も落選

 「裏金候補」の勝敗は18勝28敗。党の処分を受けて比例重複がない公認候補のうち、福岡11区の武田良太元総務相、愛知7区の鈴木淳司元総務相、東京1区の山田美樹氏、丸川氏の夫である埼玉9区の大塚拓氏、神奈川16区の義家弘介氏らが落選。非公認は福井2区の高木毅元復興相や東京21区の小田原潔氏、埼玉13区の三ツ林裕巳氏らが落選した。

 一方、非公認だった兵庫9区の西村康稔元経済産業相や、公認で比例重複がない千葉3区の松野博一元官房長官は当選した。

◆旧統一教会との関係が指摘され…

萩生田氏は世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係も指摘され「二重の逆風」だったが、立民新人に競り勝った。

 教団との接点が取り沙汰された自民候補では、教団会合で教団トップの韓鶴子(ハンハクチャ)総裁を「マザームーン」と呼ぶ様子が報じられた、神奈川4区の山本朋広氏が落選。関連団体の会合に出席し、講演したとされる神奈川18区の山際大志郎元経済再生担当相は小選挙区で敗北した。 (荒井六貴、押川恵理子)

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