日経平均は反発、衆院選通過で買い戻し 円安も支え

 10月28日、東京株式市場で、日経平均は前営業日比691円61銭高の3万8605円53銭と反発して取引を終えた。写真は都内にある東京証券取引所で2020年10月撮影(2024年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[東京 28日 ロイター] – 28日の東京株式市場で、日経平均は前営業日比691円61銭高の3万8605円53銭と反発して取引を終えた。27日投開票の衆議院選挙では与党が過半数割れとなったが、事前に想定されていたため、織り込み済みとして買い戻しが入った。為替円安基調も支えとなり、日経平均は一時800円超高となった。

日経平均は155円安と売り優勢でスタートしたが、まもなくプラス圏に転換し、後場に826円高の3万8740円17銭で高値を付けた。日経平均は衆議院選への警戒感から前週に週間で1067円下落したため、反動を狙った買いが入りやすかった。円安基調に加え、時間外取引で米株先物がしっかりと推移したことも支えとなった。

市場では、衆院選通過後の株高について、自民党が野党との「部分連合」で財政出動を拡大するとの見方や、財政刺激・金融緩和を主張する高市早苗氏が次期首相候補との思惑が働いているとの指摘もあった。

SMBC信託銀行の山口真弘投資調査部長は、今後の自民党の政権運営を巡っては不透明感が依然として強いため、この日の株高は「期待先行から短期的に上がっているにすぎない」とみている。今週は日銀の金融政策決定会合、11月上旬は米連邦公開市場委員会(FOMC)と米大統領選と、イベント目白押しとなるため、一段の上値追いには向かいにくいという。

東証株価指数(TOPIX)は1.51%高の2657.78ポイントで取引を終えた。東証プライム市場指数は前営業日比1.51%高の1367.72ポイント。プライム市場の売買代金は3兆8858億4200万円だった。

東証33業種では、値上がりは輸送用機器、医薬品、海運、証券・商品先物取引など29業種、値下がりは鉱業、化学など4業種だった。

個別では、前週末に好決算を発表した中外製薬(4519.T), opens new tabが14%超高で東証プライム市場の値上がり率トップ。取引時間中に決算を発表した塩野義製薬(4507.T), opens new tabも1%超高としっかりだった。半面、同じく前週末に決算を発表した信越化学工業(4063.T), opens new tabは2.90%安。オリンパス(7733.T), opens new tabは最高経営責任者(CEO)が28日付で辞任したと発表し、株価は5.64%安となった。
そのほか主力株では、アドバンテスト(6857.T), opens new tab 東京エレクトロン(8035.T), opens new tabが2─4%超高、ファーストリテイリング(9983.T), opens new tabもしっかり。ニトリホールディングス (9843.T), opens new tab、テルモ (4543.T), opens new tabは売られた。

東証プライム市場の騰落数は、値上がりが1504銘柄(91%)、値下がりは123銘柄(7%)、変わらずは20銘柄(1%)だった。

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab