航空機メーカー大手の米ボーイングは、増資により約190億ドル(約2兆9000億円)を調達する。手元流動性のニーズに対応し、ジャンク級(投機的水準)への格下げ回避を図る狙いがある。

  28日の発表文によると、ボーイングは普通株9000万株と、約50億ドル相当の預託株を発行する。ブルームバーグ・ニュースはこれより先、同社の資金調達を報じていた。

  25日の株価終値に基づけば、普通株売却による調達額は140億ドル弱となる見通し。ブルームバーグがまとめたデータによると、ソフトバンクグループが2020年にTモバイルUSの一部保有株を売却して以降で最大規模となる。

  同社は長年にわたる混乱と、7週目に入ったストライキの影響でバランスシートが悪化。ストにより主要な収益源である737MAX旅客機の生産は打撃を受けている。ボーイングは、投資適格級の格付けを維持し、スト終了後の生産拡大に備えるためにも資金を必要としている。

  28日の米株式市場でボーイングの株価はニューヨーク時間午前9時35分時点で1.9%安。年初から先週末までは約40%下落し、ダウ工業株30種平均の構成銘柄で2番目に悪いパフォーマンスとなっている。

  PJTパートナーズがボーイングのファイナンシャルアドバイザーを務め、ゴールドマン・サックスやBofAセキュリティーズ、シティグループ、JPモルガンが共同リードブックランナーを務める。

 

 

原題:Boeing Launches $19 Billion Share Sale to Thwart Downgrade (1)(抜粋)

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