日本を代表する桜川市(旧岩瀬町)出身の版画家、故永瀬義郎氏(1891~1978年)の作品を集めた収蔵品展が、「真壁のひなまつり」が開催されている同市真壁町真壁の真壁伝承館歴史資料館で開かれている。会期は3月20日まで。

永瀬氏は土浦中学卒業後、東京美術大(現在の東京芸術大)や京都市立絵画専門学校(現在の京都市立芸術大)などで学び、国内外で制作に取り組んだ。独自の技術を版画に取り入れ日本の版画界に功績を残した。版画家川上澄生氏などにも大きな影響を与えたとされる。

収蔵展には2000年に妻の故照子さんから旧岩瀬町に寄贈された版画「もの想う天使」など8点を展示。寄贈後は一般公開されたことがなく、貴重な作品を今回鑑賞できる。また、ベストセラーになった版画制作のための技法をまとめた「版画を作る人へ」(1922年発行)など著書も展示している。

市教委は「版画界に残した功績を市民に知ってもらうとともに、永瀬義郎という芸術家を身近に感じてもらえれば」と説明している。入館無料。開館時間は午前9時~午後4時半。休館日は月曜日、祝日だが、ひなまつり期間中は開館。問い合わせは真壁伝承館☎0296(23)8521。