夫婦役を演じた三浦友和と石田ゆり子が登壇/映画『死にゆく妻との旅路』舞台挨拶
切なくも美しい夫婦の愛を描いた感動作『死にゆく妻との旅路』。その特別試写会が2月2日によみうりホールで開催され、夫役を演じた三浦友和と妻役を演じた石田ゆり子、そして塙幸成監督が舞台挨拶を行った。
本作は、事業に行き詰まった末にワゴン車であてどもない旅を続けた男とガンを患う妻の姿を描いた作品で、1999年に起きた保護責任者遺棄致死事件をベースにしたもの。
冒頭の挨拶で三浦は、「やっと完成し、見ていただくところまでこぎ着けました。途中で撮影ができなくなるかもしれないという状況になりましたが、いろいろな方々の助けで完成し、感無量です」と困難を振り返った。石田も「本当にいろいろなことがあって、やっとお披露目できることになり、涙が出そうです」と目を潤ませながらも、「美しくて優しい、素敵な映画だと思います」とアピールしていた。
病が進行し苦しさが増すなかでも、愛する夫のそばにとどまりたいと願う妻の健気さを石田が好演。撮影中は役作りのために食事制限を行い、徐々にやせ細っていった石田について、三浦は「もとが細いから、全然痩せたように見えない。美しい方って、最後までやつれないんです。見ていて腹立たしいくらいでした」とコメント。「透明感がある」という三浦の褒め言葉に照れくさそうな笑みを浮かべた石田は「無理しないでください」と話していた。
一方、石田は三浦との共演について「私にとって三浦友和さんは光り輝くスターで、小学生のころから憧れだったのですが、映画では『おっさん』と呼び続ける役で、最初はいたたまれない気持ちでいっぱいでした」と苦笑いしてから「私がどんな芝居をしてもちゃんと受け止めてくださる方。本当に素敵で、こんな方が旦那さんだったらいいなぁって、いつも思っていました」と告白。三浦は「こういう時って褒めるしかないから」と照れ笑いを浮かべていた。
2月2日は「いい夫婦の日」ということで、この日が結婚記念日というご夫婦の観客に三浦と石田がプレゼントを手渡す演出も。映画を通じて夫婦の絆について考えたかという質問に未婚の石田は「(映画と同じように)自分が弱ってきたときに、そばに誰かがいたらいいなと現実的に考えたりしました」と吐露。それを聞いた三浦が「早くいい人を見つけて」とアドバイスすると、石田は「いいですいいです、ハイ」と苦笑いしていた。
最後に映画の見どころについて語った登壇者たち。塙監督は「自分で言うのもなんですが、非常にいい映画だと思います。2人のお芝居がとてもいいので堪能してください」とアピール。石田は「この話が実際にあったことだと頭の隅っこに置いて見ていただければ」と語った。また三浦も「見終わった後、重くて迫るものを抱えるはずです。なぜなら、これは事実だからです」と話してから、「ぜひ、みなさんの感想をうかがいたい」と客席に語りかけていた。
『死にゆく妻との旅路』は2月26日よりヒューマントラストシネマ有楽町ほかにて公開される。
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