アメリカから日本への「渡航中止」勧告。政府は、オリンピックに影響はないとしていますが、海外のメディアからは、厳しい見方が出ています。

■CDC・日本の警戒レベルは“赤色”

 24日、「日本の現在の状況では、ワクチン接種を完全に終えた人でも、変異ウイルスに感染し、感染を広げる危険性がある」と指摘したのは、アメリカのCDC(疾病対策センター)です。

 CDCが出した最新の感染レベルによりますと、日本は感染拡大が続くインドやスリランカなどと同じ赤色で表示されています。

 これを受け、国務省は24日、日本への渡航について、4段階で最も厳しい「渡航中止」に引き上げました。

 アメリカから深刻な感染状況だと判断されたことになりますが、日本政府の反応は・・・。

 加藤勝信官房長官:「今回の引き上げでは、日本への渡航回避は勧告されているものの、必要な場合の渡航まで禁止されているものではなく、また現時点でアメリカは、日本人に対する入国制限措置は取っておらず、こうした措置を導入する具体的な話もない」

■米・五輪委員会「安全な参加に自信」

 そして、今回の「渡航中止」引き上げは、開幕まで2カ月を切った東京オリンピックにとっては、最悪のタイミングと言えます。影響は、あるのでしょうか。

 東京オリパラ担当・丸川珠代大臣:「影響が、今のところ見込まれるということはございません」

 茂木敏充外務大臣:「米国政府からは、レベル4に引き上げる判断と、米国からの選手団の派遣は関連していないという説明を受けています」

 アメリカのオリンピック委員会は、検査を繰り返し行うことなどから「安全な参加に自信を持っている」としています。

■海外メディアの論調「さらなる逆風」

 しかし、現地アメリカのメディアは、厳しい論調で伝えています。

 CNNキャスター:「オリンピック開催にさらなる逆風です。国務省が日本への渡航中止を勧告しました」

 さらに、CNNの記者も、「大会関係者の考えと、現地の実情とは、差が開くばかりです。東京を含む広い地域で、今も緊急事態宣言が出ています。ワクチン接種が完了しているのは、人口のわずか2%で、医療体制は逼迫(ひっぱく)したままです」と伝えています。

 また、オーストラリアの新聞のホームページには、「“望まれない”オリンピックに強烈な打撃」という見出しが躍りました。

■バッハ会長は改めて「いよいよ最終段階」

 そんななか、25日、IOC(国際オリンピック委員会)のバッハ会長は、国際競技連盟のフォーラムに寄せたビデオメッセージで、東京オリンピック開催へ、改めて強い意欲を示しました。

 IOC・バッハ会長:「延期された東京オリンピックを目前に控え、いよいよ最終段階に入りました。
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