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 女優の松雪泰子さんが9月5日、東京都内で行われたスカパー!と時代劇専門チャンネルのオリジナル時代劇ドラマ「小さな橋で」の完成披露試写会に登場。同ドラマで、母・おまきを演じた松雪さんは、「とにかく監督について行く、という気持ち。監督は、割と感情の振り幅を大きく出して、しっかりと表現してくださいという演出だった」と明かし、「時代劇を意識することよりも、ちゃんと生きる、ということをしたいと思った」と振り返った。

 「小さな橋で」は、藤沢周平さんの没後20年、生誕90年を記念して制作された「藤沢周平 新ドラマシリーズ」の第2弾。藤沢さんの短編集「橋ものがたり」から、「小さな橋で」「吹く風は秋」「小ぬか雨」の3編が映像化される。5日は「小さな橋で」の完成披露で、共演の江口洋介さん、藤野涼子さん、子役の田中奏生さん、杉田成道監督も登場した。

 松雪さんとつかみ合いのけんかをするシーンがあったという藤野さんは「母親に当たるということが全くなくて、難しいなと思ったんですが、(松雪さんが)リハーサルで何度も全力でやってくれたので、本番ではさらに気持ちを高められた」と感謝した。松雪さんも「あの瞬間は、母と娘というより女同士なんだと監督がおっしゃっていた。何かが外れてコントロールできなくなって、感情でぶつかり合う演技をしたかった」とうなずいた。

 約300人の中からオーディションで松雪さんの息子役を勝ち取った田中さんは「初めてばっかりで撮影のときは緊張してたんですけれど、やってるうちに慣れました」と笑顔で語った。現場ではげたが割れるほど走ったといい「自分ではよく頑張れたなと思った」と振り返ると、松雪さんも「頑張ったね」とにっこり。何度も繰り返したリハーサルも「本当に演劇のお稽古(けいこ)みたいな感じ。楽しかったよね」と母親の顔で田中さんをねぎらった。