【ドラマ】 ・・・黒い十人の女
テレビ局のプロデューサー風松吉(小林薫)には、十人の女がいた。女優の石ノ下市子(鈴木京香)。出入りのコーヒー屋・三雲三輪子(小泉今日子)。アナウンサーの四村塩(深田恭子)。演出助手の後藤五夜子(小島聖)。総務部の虫子(松尾れい子)。受付の七重(冨樫真)。衣装部の八代(唯野未歩子)。食堂のウエイトレス・櫛子(一戸奈未)。広報課の十糸子(木村多江)。
 本妻の双葉(浅野ゆう子)は、もちろんこれを承知しており、いまではこれらの女たちと友達のような関係になっていた。
 だが、女たちは風のことを仕方がないと思いつつも苛立ちを覚えはじめていた。愛する者が自分のものにならず、誰にも優しいことに。
 やがて、この秘めた感情は、風を亡きものにしようという殺意へと変わっていくのだった。