東京オリンピックの開幕まで22日。今月1日から4日間で、羽田空港と成田空港に19の国と地域から400人を超える選手らが入国します。成田空港では、航空機を降りてからの五輪選手らと一般客の動線を分け、入国審査や、空港からの出口で接触しない措置を始めました。

入国した選手は、厳しい行動制限が課されることになります。ウガンダの事例を受けて、1日から濃厚接触者への対応も強化されました。空港検疫で陽性者が出た場合、濃厚接触の疑いがある選手らは、全員、別のバスで移動。そのうえで、宿泊地などで“隔離措置”が取られることになります。ただ、宿泊地に移動することは変わりません。

来日したボートのドイツ代表選手団39人。羽田空港をあとにして、静岡県に1泊して、ホストタウンの兵庫県豊岡市へと向かいます。選手団は午後7時半、静岡県内のホテルに到着しました。ウガンダの事例では、バスの運転手が濃厚接触者となりました。今回、ドイツ選手団の送迎を担当した運転手に話を聞くことができました。
送迎を担当した運転手:「(Q.車内の様子はどうだった)会話もなくマスクを着用して、感染対策は万全だったと思う。(Q.ご自身はワクチン接種は)いや、していないです。(Q.選手団と一緒の所に泊まるのか)選手専用のフロア貸切られているので、それ以外の階に泊まるみたい」

ただ、水際対策に不安も残ります。感染が判明したウガンダ選手団と、同じ航空機に乗っていた一般客の10代の男性が陽性だったことが新たにわかりました。つまり、空港や移動中の感染対策をしたとしても、飛行機の中では、オリンピック関係者が一般客の感染者に接してしまう可能性があります。
厚生労働省担当者:「機内で一緒になるのは仕方ないし、日常的に起きていること。空港で動線を分けたのは、感染対策上、あまり意味がないと思う」

日本の感染状況に対する懸念から不参加を決めた国も出てきました。南太平洋の島国・サモアが重量挙げの選手3人の派遣を取り止めました。
アファマサガ通信・情報技術相:「日本は毎日500人の感染者が出ており、サモア政府は感染防止を優先させることを決断した。感染の可能性が高すぎる」
ただ、国外を拠点としているボクシングや柔道などの選手については、大会後もサモアには戻らないため、派遣を認める方針です。

東京都の感染が再び増加するなかで、選手、関係者合わせて7万近くが来日するオリンピック。政権幹部が無観客”の可能性について言及しました。
公明党・山口代表:「緊急事態宣言をどうするかは、まん延防止等重点措置も含めて、このリバウンドの状況、感染状況、デルタ株(インド型)に置き換わるスピードが早いというのもある。無観客も視野に入れながら機を逃さず、決めていただきたい」

オリンピックが、どういう形で開催されるのか。その判断材料にもなる東京都の1日の新型コロナウイルスの新規感染者は673人。先週の木曜日より100人以上、増えています。そんななか、小池知事が自宅から東京都のモニタリング会議に参加しました。9日ぶりに公務、復帰です。
小池知事:「改めて、不要不急の外出自粛のお願い。ここは改めて総力戦で、戦い抜いていこうではありませんか」

重症者も4日連続で増えていて、51人となりました。専門家も、まさに瀬戸際との認識です。
国際医療研究センター・大曲貴夫医師:「感染が再拡大していると考えられる。人流の増加や感染性が高い変異株の影響を踏まえると第3波を超える急激な感染拡大が危惧される」

オリンピックの影響が、仮になかったとしても、深刻な感染拡大が予想されています。インド型変異ウイルスの影響が小さく、 人流が今より増えないという最も楽観的なシナリオでも、7月中旬には1000人を超える恐れがあるといいます。インド型の影響が、中程度の場合、あるいは、人流が今後も増えていくと、オリンピック期間中に2000人を超え、より強い対策を取らなければ、爆発的な感染拡大が起こる可能性があるとしています。

神奈川県の感染者も2日連続の200人超え。埼玉県も150人に迫っていて、首都圏での感染が目立ちます。そこで政府は、10都道府県に出されているまん延防止等重点措置について、東京、神奈川、千葉、埼玉での延長も視野に、検討に入りました。政府内では、当初の期限だった11日の解除は難しいとの見方が強まっています。
菅総理:「緊急事態宣言あるいは、まん延防止措置については、全体の様子を見るなかで決定していきたい」

まん延防止措置を延長した場合、政府や東京都、IOC=国際オリンピック委員会などは無観客での開催も含め、観客数の再検討を行うことになります。官邸関係者は「1都3県は一体で判断する」と話していて、8日にも最終決定する方向です。
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