(医師)「6月4日に感じ始めた 呼吸の苦しさは 今でもあまり変わらない?」
(患者)「私はあまり変わらない。息吸うと咳き込んじゃう」
名古屋市東区の愛知医科大学メディカルクリニック。
ここには全国的にも珍しい新型コロナの後遺症外来があります。
この日訪れていたのは、69歳の女性。
5月下旬に息子が感染し、その後、自分と夫も感染。
第4波の真っ只中で入院はできず、酸素吸入を行いながら自宅療養となりました。
味覚の異常や熱はおよそ2週間で治まりましたが、1か月以上経った今も、息苦しさや頭痛が続いていて後遺症外来を受診しました。
(医師)「じゃあちょっと診察させてもらいますね」
診察を受けた後はCTや肺活量などの検査へ。
その結果・・・
(医師)「かなり広範囲に肺炎を起こしていたんだろうなと思います」
(患者)「状態がわかって良かったです」
検査の後は、13ある診療科で症状に合わせて、専門医の診察を受けることになります。
後遺症外来はことし4月に開設したばかりですが、すでにおよそ100人が訪れているといいます。
(愛知医科大学メディカルクリニック・馬場研二クリニック長)「受診に来る患者さんは 軽症だった患者の割合が一番高い。1つの後遺症状だけが続いていて、あとは何もないという患者はむしろ少なくて、複数の症状を訴える場合が多い」
このクリニックの調査では、新型コロナの陽性判明後、1か月で何らかの症状が 続いている人はおよそ55%にのぼり、その症状で最も多かったのが、嗅覚や味覚の異常。
その他にも倦怠感や頭痛、10人に1人の割合で脱毛に悩まされる人も いました。
「現在はどのような症状が残っていらっしゃいますか?」
後遺症外来は完全予約制で、診察の前に看護師が 発症日や症状などを電話で聞き取ります。
「(今悩んでいるのは) 目がかすんだ」
その不安から症状を詳しく聞いて欲しい患者が多いそうで、長い時には1人で40分かかることも。
(看護師・伊藤るみ子さん)「九州からお電話いただくこともある。 この症状が自分だけのものなのか、不安がいっぱいでどうにか解消したいって思いがあるんだと思う」
24歳の女性も後遺症外来を受診。5月下旬に感染してから1か月半が経ちますが、今もなお不眠症に悩まされています。
(後遺症に悩む女性・24歳)「1か月以上経った今でも眠れない。 先週、一応復職したが 1日、2日会社に行って体調を崩してしまった」
新型コロナの後遺症はあまり知られておらず、周囲からなかなか理解を得られないといいます。
(後遺症に悩む女性・24歳)「『仕事に復帰して 外回りもしてないから、疲れてなくて 眠れないだけだよ』って一番皆に言われる。かかっていない人にはなかなかわかりづらい悩みなんだな」
後遺症については原因など詳しいメカニズムはまだわかっていません。
(愛知医科大学メディカルクリニック・馬場研二クリニック長)「コロナウイルスに感染したあとの精神的なストレスがきっかけになって 二次的な障害が起こる可能性も指摘されている」
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