2020年東京オリンピック・パラリンピックの大会組織委員会はきょう、ベルギーの劇場ロゴと似ているなどの指摘があったオリンピックの大会エンブレムを撤回すると発表しました。
五輪組織委員会の武藤事務総長は会見で「危機感、放置できない問題だと考え、行動を起こしてきょう取り下げの決断をした」と述べました。大会エンブレムをめぐっては公募で選ばれた佐野研二郎さんのデザインがベルギーにある劇場のロゴに似ているとして、ロゴの考案者がIOCを訴えていました。佐野さん本人や大会組織委員会は盗作を否定してきましたが、その後、佐野さんが提出したエンブレムの展開例に他人のブログに掲載されていた写真が転用されているのではないかという新たな疑惑が浮上し、佐野さん本人からエンブレムの取り下げの申し出があったということです。武藤事務総長はまた「展開例の(写真の)流用は佐野さんは認めていて、原作者にアプローチ(連絡)したということだ」「ここまで国民からいろいろな意見が出てきて、もはやこのエンブレムが国民の支持を得ないという状況になった時に佐野さんが取り下げるという判断をされたのは、そういう形で自ら責任を果たされたのでは」と述べました。
武藤事務総長は「国民に申し訳ない」と謝罪し「直ちに新しいエンブレムの選考に入りたい。公募を大前提にしたい」と今後の対応について話しました。