アメリカのトランプ大統領が11月4日に述べた「わたしはここに宣言する。恐ろしく金がかかり、不公平なパリ協定から離脱する」という言葉。

国際的な枠組みであるパリ協定から離脱をするということを、正式に国連に通告するということを明らかにした。

「パリ協定」とはどういうものなのか。

パリ協定は、1997年に定められた京都議定書の後継として、2015年にパリで開かれた国際会議で合意されたもの。

翌年の2016年11月4日に発効した。

およそ190の国と地域が締結したもので、この190の国と地域だけで、世界の温室効果ガスの排出量のおよそ86%をカバーするもの。

「みんなで地球温暖化に取り組んでいこう」ということを合意した。

京都議定書とパリ協定には、大きな違いが1つある。

まず、今世紀の後半に温室効果ガスの人為的な排出と吸収のバランスを達成させる、実質排出ゼロを目指すというところを長期目標に掲げているが、パリ協定は、途上国を含む“全参加国”に排出削減努力を求める枠組み。

京都議定書は、排出削減の法的義務が“先進国のみ”に課せられていたため、ここが大きな違いとなる。

現状が追いつかないという。

2016年の世界のCO2排出量は、中国が1位の28.2%。

そして、インドが6.4%と、かつての途上国も経済発展を遂げて、排出量も急増している。

先進国だけでなく、世界全体でこれに取り組んでいこうと決めたが、それにもかかわらず、排出量2位のアメリカが離脱を宣言したということになった。

ただ、すぐに離脱ができるわけではない。

規定では、通告が効力を有するまで1年必要となっている。

そのため、離脱の可能日は、2020年11月4日以降となる。

この11月4日が、くしくも2020年の大統領選挙の翌日以降という。

(2019/11/06)

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